不動産投資信託(REIT)市場が世界的に拡大している。2005年末の時価総額では米国が3300億ドル(約38兆円)、日本では3兆円近く(東証REIT指数の時価総額)に達した。欧州ではオランダ、ベルギー、フランスが既に導入し、3カ国のREIT時価総額合計は約6兆円である。
個人投資家に不動産投資の門戸を開く
REITが注目される理由には、以下の2つの要因が挙げられる。第1に、不動産賃貸料を収益の柱とするREITは、優遇税制などから他の資産と比較して安定したリターンを確保している。
第2に、REITは不動産投資という性格に起因する専門的で様々な障害を取り除き、個人投資家の不動産投資を容易にする商品性を持つ。例えば不動産への実物投資では、資金面や保有・管理などの問題から個人投資家にとって敷居が高いし、不動産会社の株式への投資では法人税課税後の利益から配当を受け取ることになり、実物投資のリターンを享受できないといった問題がある。REITはこれを取り除いた。
年金などがREIT投資を拡大
欧州のREIT市場は米国と比べて規模はまだ小さいが、今後拡大が見込まれている。それには理由がある。まず、資産効率化を進める欧州企業が自社ビルなどの不動産売却を進めており、優良不動産が市場に放出される機会が拡大している。
また、欧州の有力投資家である年金基金は、不動産を株式や債券とは異なる資産と見なす傾向が強まっている。例えば、資産規模でオランダ最大の公務員年金基金であるPABでは、株式や代替(オルタナティブ)投資の中に上場不動産投資信託が含まれている。資産構成の推移を見るとそのウエートが2002年の7.5%から2005年には9.2%に高まっている。
さらに、英国は2007年からのREIT導入を決定し、ドイツもREIT法案の準備を進めている。
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1960年東京都大田区生まれ。1983年早稲田大学政経学部卒業。造船会社、証券会社を経て2000年、野村證券入社。金融研究所投資調査部を経て、2002年から現職。日本証券アナリスト協会検定会員。







