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ユーロ加盟遅延に見る欧州の悩み

新興国の開き直りか? 大国の衰退か?

  • 本多 秀俊

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2006年10月18日(水)

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 2004年5月にEU(欧州連合)に新規加盟した10カ国の中から、「ユーロ加盟の時期」を曖昧にする動きが目立ってきた。為替市場ではユーロ高が進み、各国中央銀行の外貨準備に占める割合も増えてくるなど、ドルに対抗する機軸通貨としての性格が強まってきた。にもかかわらず“不自然”な動きが続く。

 現在、ポーランドはユーロ加盟時期の目標を明確にしていないし、ハンガリーもこの9月に発表した「経済収斂計画」でユーロ加盟の目標時期を定めることを取りやめた。チェコでも2010年の加盟目標を先送りする方向での議論が始まったが、新たに目標年限を設けない可能性が高まってきている。

 ユーロ加盟といえば、安定した経済/財政基盤を持つことが必要とされ、かつてはユーロへの加盟はいわばEU内の一流国の証しであると考える向きすらあった。実際、1999年のユーロ発足時に加盟したイタリアや、2001年に加盟したギリシャなどは、なりふり構わぬ時限増税などの措置を講じてまで財政赤字を圧縮し、やっとの思いでユーロへのパスポートを手に入れたのだ。

 EU新規加盟10カ国がユーロへの加盟時期を曖昧にするのは、EU内における「大国」対「新興国」という構図以外に、「欧州の今」を読み解くカギがある。

 新規加盟10カ国には、ユーロ加盟に関して既存加盟国と対等に扱われていない面がある。既存加盟国の中には、英国やデンマークのように、経済状況がユーロ加盟条件を達成しても、自国の判断でユーロ加盟を見合わせることができる権利(オプトアウト)の取得を選択した国もある。だが新規加盟10カ国には、最初からその権利は与えられていない。「一流国の仲間入りをさせてやるのに四の五の言うな」という既ユーロ加盟国の「大国意識」は、仏シラク大統領のこんな発言にも如実に表れていた。

 シラク大統領の“大国意識”は2003年、米英を中心とする多国籍軍がイラクに侵攻した際にも見られた。新規加盟するポーランド、ハンガリー、チェコの3カ国が米国側について武力行使を支持した時に、イラクへの武力行使に慎重だったシラク大統領は、3カ国にEU加盟拒否のカードをちらつかせた。「(既加盟国の)たった1カ国が国民投票で加盟を承認しないだけで(翌年に内定していたEU加盟の取り消しは)十分、足りる」と口走った。これは加盟内定国から大きな反発を買った。

大国の威信失墜

 こうした大国意識への反感はあるだろうが、政治的言動と経済を一緒くたに考えて済む話だけではない。ユーロ加盟という「勲章」が、輝きを失ったかに見える要因はどこにあるのだろうか。

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