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第6章 豊饒のオホーツク海(6)

2006年10月30日(月)

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 その日の夕方、金沢が申請書を書き上げ、部長に説明して席に戻ると、アングロ・ダッチ石油のジョンストンからメールが届いていた。

 表題は、「RE: Appointment of Financial Advisor」。

 ロックフェラー銀行の態度がはっきりしないので、CSFAと交渉を始めたいという内容だった。

 金沢は、別の階にいる財務部の若手に電話した。

 「……しょうがないんじゃないですか」

 財務部の若手はいった。「半年後にスティーブも辞めた、米輸銀の担当者もJBICの担当者も辞めたなんてことになったら、目も当てられないですから」

 「そうだよね」

 「それに、ロックフェラーの東京支店て良くないですよ」

 「そうなの?」

 「リレーションシップ(顧客担当部門)のトップをやってる日本人のMD(マネージング・ディレクター)が、客の利益を損ねてでも自分の手柄にしようってタイプですから」

 「ふーん……。で、2番手はやっぱりCSFAでいいと思う?」

 「ニューヨークから来た人たちは、ちょっとクエスチョンマークでしたけど……」

 相手が苦笑する。「一緒に作業するアングロ・ダッチがいいっていうんなら、いいんじゃないですか。さっき東洋物産と話しましたけど、しょうがないねっていってました」

 「シティ・マンハッタンとは犬猿の仲だしなあ」

 金沢も苦笑した。

 「ところで、話は変わりますけど」と財務部の若手。

 「エネ庁とトーニチが主導してる例のイランの油田開発、結構やばいらしいですよ」

 「えっ、やばいって?」

 「アメリカが反対してるそうです」

 「ほんと? 外務省の課長は、そんなこといってなかったけど」

 「新聞社の友達から聞いたんですけど、去年、ハタミ大統領が来日する前に中東アフリカ局長がワシントンで国務省に説明したら、先方は相当な不快感を示したらしいです」

 「へーえ」

 「ハタミ到着の前日には、国務長官名で『きわめて遺憾』という抗議書簡まで届いたそうですよ」

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