• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

米国株は安定成長を続ける

背景にある安定感抜群の経済社会

  • 鈴木 敏之

バックナンバー

2006年11月6日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 今年10月19日、1987年にブラックマンデーを経験したその日、米国の株価が1万2000ドルを超えた。このところ、株価が堅調なのは、それまで低迷した要因に変化が見えてきたからだと思われる。

 第1に、IT(情報技術)バブル崩壊後の投資調整が一巡したことが挙げられる。2001~03年にかけて、米国経済は調整局面にあった。その後、成長率こそ高かったが、投資はいま一つ勢いを欠いていた。

 だが、ここにきて設備稼動率が上がり、住宅に吸い上げられていた資金が企業部門に回るようになってきた。そこに、循環的に見ても投資が上向きとなる時期が到来している。10月27日に発表された第3四半期のGDP(国内総生産)成長率は、前期比年率1.6%という低い数字になったが、設備投資はそのうちの0.9%分の数字を支えている。

 第2に、原油価格が落ち着きを見せ始めたことが、株価を支える要因となってきている。2003年からの原油価格急騰があっても、1970年代のような石油ショックの様相にはならなかった。それでも、PER(株価収益率)で見れば、原油高騰は株価の重石になっていた。

 ところが、9月になって店頭のガソリン価格はあっという間に下がっていった。このことが、米国民の消費マインドを好転させた。そして、株式市場でも好感を持って受け止められた。

 第3に、2年半に及ぶ利上げが成功裏に終息したことが、株価にも好影響を与えた。FOMC(米連邦公開市場委員会)は、6月29日の利上げで終止符を打った。景気後退を厭わずに、インフレを抑え込むだけならば、利上げは難しいことではない。しかし、経済成長を損なわず、雇用不安も生じさせないままに、インフレを抑制することは容易でない。

理想的な軟着陸シナリオ

 FRB(米連邦準備理事会)は、2004年春に、「成長は強すぎるが、当面のインフレ懸念はない」という説明をして、緩やかな引き締めを実行すると発表した。その言葉通り、年8回あるFOMCで17回連続して、0.25ポイントずつ利上げを続けてきた。

 今年初めには、FRB議長がグリーンスパン氏からバーナンキ氏へと交代して、利上げは2代の議長をまたぐことになった。そうした難しい舵取りを強いられながらも、経済の急落や失業増加、市場のクラッシュといった苦痛を伴うことなく、必要な減速を成し遂げつつある。これは、理想的な軟着陸のシナリオと言ってもいい。

 もちろん、今でも「インフレ率は高い」という指摘はある。だが、仮に追加の利上げがあっても、微調整で終わるだろうから、まさに針の穴を通すような難行をやり遂げたと言えよう。

今後大きな調整はない

 このことに対する市場の信頼は揺るぎないものがある。なぜなら、こうした金融政策が、偶然の産物ではないことが分かっているからだ。昨今、金融政策の理論研究が急速に進み、成功のメカニズムが解明されつつある。だから、金融政策の成功が偶然でないことが裏づけられ、政策担当者への信頼を生み出している。

コメント1

「Money Globe- from NY(鈴木 敏之)」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

「絶対これしかありません」というプランが出てきたら、通しません。

鈴木 純 帝人社長