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民主党大勝で笑う産業、泣く産業

2006年11月17日(金)

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 ニューヨークの地下鉄に乗ると、2~3回に1度は物乞いに出くわす。日本の地下鉄では考えられないことだが、カネを入れる大きなコップのようなものを持って、車両の中を歩き回っているのだ。「ホームレスになって困っているんだよ」といった内容のことを口にしているだけなのだが、1ドル札を差し出す人が結構いる。

 伝統的なホームレスもまだ多い。街角にダンボールを敷き、ぼろ布をかぶって寝ている。

 ニューヨークは安全になった――。

 多くの人がそう感じている。確かに、警察は強化され、しかも好況が続いて失業が減っているのだから、犯罪は減少して当然かもしれない。だが、依然としてホームレスが目立つのは、所得格差の拡大傾向に歯止めがかからない証しかもしれない。

ジニ係数は上昇、貧困層は3695万人

 米国勢調査局の統計によれば、所得の不均等の度合いを示すジニ係数は上昇傾向が続いている。政府が定義する「貧困層」は3695万人。人口比にすると12.6%となるが、黒人では24.9%、ヒスパニックでは21.8%と、決して低くない数字になっている。

 こうした現実が、中間選挙の結果に表れたのではないだろうか。

 11月7日の投票まで、政党もメディアも、「イラク」を最大の争点としてきた感がある。確かに、米兵の犠牲者が増え続ける状況で、戦争への批判ムードが民主党を勝利に導いたことは間違いない。

 しかし、各種メディアの出口調査では、民主党に投票した人の多くが「生活が悪化している」と答えているらしい。逆に「生活が改善している」と考えている人は、共和党に票を入れている。実は、経済問題が民主党を勝たせた大きな要因なのかもしれない。

最低賃金を引き上げるが、平均時給との格差は・・・

 それでは民主党の大勝によって、米国はどう変わるのか。ニューヨークの物乞いは減っていくのか。これまでの経済政策に、少なからず変化が出てくると考えている。

 下院議長就任が予定されているナンシー・ペロシ議員は、共和党との対決姿勢を強めていた女性政治家だ。彼女が主張してきたことは、民主党が議会を制すれば、100時間以内に最低賃金の引き上げ法案を提出するということだった。さらに、大手石油企業への減税措置も廃止し、難病対策と期待される胚(はい)性幹細胞(ES細胞)の研究予算を増やし、さらには学生ローンの金利を引き下げるという。

 最低賃金の引き上げは、世論の強い支持を受けている。中間選挙と同時に、各州で州民投票が行われた。最低賃金引き上げについては6州で投票が行われ、いずれも高率で支持されているのだ。

 現在、米国の連邦レベルでの最低賃金は時給にして5ドル15セントとなっている。実際に、33州がこの賃金水準を適用している。実は、この最低賃金は、10年以上も変更されないままなのだ。1997年9月に決められた当時、平均時給は12ドル62セントだった。つまり、最低賃金は、平均水準の半分程度となっていた。

 ところが、現在では平均時給が16ドル87セントにも上昇している。最低賃金は、この3分の1程度にまで低下してしまったことになる。実際に、パートタイマーや低年齢者を中心に、約220万人が最低賃金に甘んじていると推計されている。

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