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米住宅、本当の危機は2011年以降?

  • 矢野 和彦

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2006年11月24日(金)

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 「住宅市場の調整はまだ続くが、最悪期は脱し来年半ばにも底入れか」――こうした見方が米国のエコノミストたちの間では少しずつ増え始めている。全米企業エコノミスト協会がこのほど公表した定例アンケート調査によれば、住宅セクターの底入れ時期の予想は「来年半ば」との回答が4割強を占め、「2008年以降」との回答はわずか1割にとどまった。グリーンスパン米連邦準備理事会(FRB)前議長も、最近の講演で「住宅市場はまだ底を打ったとは言えないが、最悪期は過ぎたようだ」との見方を示したと報じられている。

ベビーブーム世代退職で住宅価格は長期低迷?

 しかし、仮に今後短期的に底入れが見られたとしても、米国の住宅市場にとっての本当の危機はむしろその後に訪れる可能性がある。そしてそれは長期にわたって住宅市場に吹き続ける逆風となるかもしれない。

 主因はベビーブーム世代の退職に伴う住宅需要の減少だ。1946~64年生まれのベビーブーム世代は、67年頃から労働市場に参入を始め、以降40年近くにわたって米国の人口構成や住宅市場のダイナミズムに大きな影響を与えてきた。今後彼らは退職を迎え、貯蓄を取り崩す世代になる。リタイヤしたベビーブーマーたちが「ダウンサイジング(小さく安い住宅への住み替え)」を始めれば、住宅価格にとっては強い下落圧力が加わりかねない。

 こうした人口要因による住宅市場への影響に関して、昨年秋、FRBのエコノミストが興味深い論文を発表した。

 同論文は、労働力人口が全人口に占める割合の推移を基に、ベビーブーム世代の労働市場からの退出が住宅価格や金利にどのような影響を与えるかを、理論モデルとシミュレーションによって分析している。

 それによると、住宅価格はベビーブーム世代の退職が始まる2008年から2011年にかけて頭打ちとなり、その後は長期間にわたって下落を続けることになる(図1)。2030年代後半にはピーク比で3割もの下落がもたらされるという、何とも暗いシナリオだ。

 実は、ベビーブーマーの存在が住宅価格に影響を与えるとの見方はかつてもあった。代表例はグレゴリー・マンキュー前大統領経済諮問委員会委員長(現ハーバード大学教授)らが1988年に発表した論文だ。

 80年代の住宅ブームがピークを迎えつつあった当時、同論文は、90年代に入るとベビーブーマーがおおむね世帯形成期を終えることから住宅需要が低迷し、1990年代~2000年代の20年近くにわたって住宅価格は大幅な下落を余儀なくされるとの見通しを提示し、エコノミストの間で大きな議論を呼んだ。

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