• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

ゴーアラウンドと見る5つの理由

2007年の米経済を展望

  • 鈴木 敏之

バックナンバー

2006年12月1日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 米国経済には、いくつか減速を示す指標が出ている。GDP(国内総生産)の成長率は、直近の第3四半期で1.6%(前期比年率)という低い数字であった。住宅関連の数字の中に、急激な落ち込みを示すものがある。米国の自動車メーカーには、在庫調整の動きもある。いよいよクリスマス商戦だが、早々と値下げ攻勢を言っている大手の小売もある。

 気になる先行きだが、米国景気は大きな調整は回避して、3%程度と見られる巡航速度成長に戻っていく道筋を見込みたい。飛行機の操縦に例えるならば、着陸進入に入りながら、滑走路に脚を着けることなく再上昇するゴーアラウンドである。

原油、雇用、企業収益、住宅、金融の5点から見る

 1.6%成長の経済が、なぜ、復調すると見込めるのか?

 第1に、原油価格の落ち着きがある。原油価格の安定は、インフレ期待を抑え込むことによって、インフレ面の不安を小さくする。それは金融政策を機動的に動かせることにつながる。また、株価にも好影響を与えるし、ガソリンや暖房費の負担軽減を通じて、減税と同じ効果もある。

 第2に、構造要因と見られる労働需給の引き締まりがあり、雇用面での不安が小さいので、最終需要の柱の消費の大きな落ち込みがなさそうである。労働できる年齢層で、仕事に就いているか、職探しをしている人を、労働市場の参加者という。その参加者が、労働力人口に占める割合が労働参加率だが、近年、この数字が上がらない。

 経済条件が良くなって、条件の良い就職機会が増えてくれば、労働市場に参加する人が増えて、この比率は上がるものであった。それが、今は動かないのである。就学が増えている、ベビーブーマーの退職が始まっているなどの要因が言われるが、とにかく、米国の労働市場の需給が引き締まりやすいのである。

 このため、働く気がある人は、職を得られる。これは、所得増加が続くことになるし、消費者のマインドを明るく保つ重要な要素でもある。労働市場の構造を反映した消費需要の底堅さがあるということで、在庫調整があっても、短時間で終わると見込める。 

 第3に、企業の不況耐久力が強いことである。17回もの利上げがあっても、原油価格の上昇があっても、米国企業は利益を上げている。それを支えるのは、「アメリカ株式会社」のコーポレートカルチャーである。今の米国企業にとって「余分な在庫は作らない、持たない」の原則に従わないことは、株主に対する最大の冒涜である。余分な在庫を持たないように、価格設定が頻繁に変えられるのが、米国経済の特徴であることも指摘されている。

 経済は在庫サイクルから逃れられないし、ISMの景況指数に見られる通り、今、一部に在庫調整の動きはあるが、こうした企業の姿勢を反映して、調整が長引くことはなさそうである。また、業績が悪い時に、リストラ計画を出さないことも許されない。不調の米大手自動車メーカーに対して世間の風当たりが強いことはその端的な例である。リストラを怠って業績が不調であることにも非常に厳しい。

コメント0

「Money Globe- from NY(鈴木 敏之)」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

リストラなどつらい経験もありましたが、多くの山に登ったことで、別の景色が見えやすくなりました。

吉田 秀俊 VAIO社長