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タクシーの運転が象徴する経済状況

マイペースのタイ、先を急ぐ中国

  • 竹島 慎吾

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2006年12月11日(月)

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 昔あるエコノミストから上海浦東空港で乗ったタクシーが、中心部にたどり着くまでの間に27回も車線変更をしたという話を聞いた。ちなみにそのエコノミストによれば、成田空港から箱崎までのリムジンバスは4回しか車線変更をしなかったそうである。

 その話を聞いた後、筆者も上海に出張した際に、空港からタクシーを利用した際、車線変更の回数を実際に数えてみた。すると走り始めて10分足らずで27回を超えた。その後も頻繁に車線変更を繰り返し、100回を超えたところで数えるのをやめた。

 結構なスピードで、巧みなハンドリングで障害物をかわしながら縦横無尽に走る様は、レーシングゲームのモニターを眺めているようであり、恐怖感と快感が混在する不思議な感覚を味わった。その後も何度か上海を訪れたがこの印象は変わっていない。

 一方、先日乗ったバンコクのタクシーは印象が異なった。開港間もないスワンナプーム空港を背にしたタクシーは、中心部に向けて快調に飛ばしたものの、上海のタクシーのように車同士が競い合うように先を急ぐという感じはなかった。

 途中ガソリンの残量が少ないことに気づいた運転手がガソリンスタンドに立ち寄ったため、10分程時間を費やしたが、運転手は慌てることなく最後までマイペースを貫いた。バンコク訪問は数年ぶりであったが、タクシーの印象は以前と変わっていない。

 冒頭にこのような話を持ち出したのは、両国のタクシーの走行状況は、その国の経済状況を端的に反映している、と感じたからだ。時にはひやりと感じさせるような速さで突っ走る中国と、マイペースの成長を遂げるタイ。上海とバンコクのタクシーともに実際のスピードは大差ないが、体感速度は大きく異なる。

 足元でタイの成長率は約5%と、10%成長を続ける中国の約半分であるが、タクシーの体感速度もおよそ半分という印象だ。目的地に着くまでの時間は上海のタクシーの方が早いかもしれないが、乗客としてどちらが快適かと言われれば、躊躇せずバンコクのタクシーに軍配を上げる。

タイのクーデターは過去の話

 今回バンコクを訪問した目的の1つは、クーデター後のタイ経済の動向をヒアリングすることであった。しかし、バンコクの街中でクーデターの影響を感じることはほとんどなく、クーデターは過去の話という印象を抱いた。

 景気への影響は限定的で、むしろ、クーデターで政局の不透明感が払拭されたことから、短期的にはプラスに働くとの見方が多かった。海外の目から見ると、クーデターは政治・経済の大きな混乱をイメージするが、タイの国民にとってクーデターは政権交代の1つの手法と冷静にとらえている節がある。

 この背後には、タイが1932年に立憲君主制へ移行して以降、20回を超えるクーデターを経験している歴史があるためだろう。クーデター直後に実施された世論調査によると約8割の国民がクーデターを支持している。

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