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ロンドンの住宅情勢にバブルのにおい

  • 本多 秀俊

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2006年12月13日(水)

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 「農地を共同で買い上げ、宅地分譲してひと儲けしませんか」

 そんな電話が自宅にかかってきたのは先月のとある週末のことだった。「農地を共同で...。宅地分譲?」

 まるで日本のバブル時代にあった「地上げ」の変化球版のような誘いの電話に、投資に回すような余裕資金はわが家には一切ないものの、興味本位で今しばらくつき合ってみることにした。電話の向こうでは、同じような売り込み攻勢をかけている大勢のオペレーターの声が聞こえていた。

 2004年後半から2005年にかけ、一時落ち着きを見せたかに見えた英住宅価格は、足元、再び前年比で約10%増の水準まで勢いを盛り返してきている。その後手元に送られてきた資料の内容はざっくりこうだ。

2021年までに年間6万6000戸が不足

(1)住宅供給は大量に不足している
(2)今後、緑地や農地の住宅地転用が拡大するのは避けられない
(3)農地の段階で土地を購入すれば、費用は格段に安くて済む
(4)我々は、今後住宅建築許可が下りるであろう土地を見分けるエキスパートである
(5)農地に住宅建築許可が下り、宅地造成して分割販売すれば多額の収益が見込まれる

 確かに、英国の住宅供給は不足しており、今後一層の不足が見込まれている。資料は、大手新聞の記事を引用、「単身・核家族世帯の増加」「長寿化」「移民の流入」などを要因に、2021年までの間に、年間6万6000戸の住宅不足が予想されるとうたっている。

 農地の宅地転用と言っても、上下水道から電気・ガス・電話回線など生活基盤の整備、さらには公園や学校の確保など、人々が暮らすとなれば膨大な規模の開発計画が必要となる。これも、広範囲の土地を一括で購入、建築許可を申請することで、政府・自治体の開発計画に組み込まれる可能性は格段に上がるだろう。

うまい話には裏がある

 なるほど、過去10年近く、英住宅価格の右肩上がりの上昇を目の当たりにしてきて、投資対象・手法として、これほど確かなものも無いような気がする。

 「子どもたちの学資のために細々と積み立ててきた資金をつぎ込んでみようか」

  そんな思いが一瞬、頭をよぎる。バブルはどこかではじける運命にあるし、そのはじける瞬間に関わった者がババを引くのは世の常だ。とはいえ、仮に現在の英住宅市況がバブルであるとしても、少なくともロンドンでオリンピックが開催される2012年頃までは、英不動産市場で「ひと山当てる」チャンスは、まだあるであろう。

 だが、結局のところ、2つの理由からこの件にこれ以上関わるのはやめることにした。

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