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コスモポリタン階級の台頭がもたらす課題

  • ロバート・シラー

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2007年1月9日(火)

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 コミュニケーション技術が高速化し、旅行は手軽に、多国籍企業はますます強大になったお陰で、グローバル化が進み、「コスモポリタン(世界市民)」という新しい社会階級が出現している。この世界市民たちは、国境を越え、互いに忠誠心を抱き合っている。

 先日、私はエール大学のワールドフェロー(国際研究員)や世界の主要国から招かれ1学期間を当大学で過ごす優秀な専門家たちとの夕食会に参加した。これは珍しい体験だった。参加者全員が外国人だとは思えなくなったのである。パーティーで給仕をしてくれた地元の米国人よりも、話しかけやすかったほどだ。

半世紀前に定義されたコスモポリタン階級

 もちろん、コスモポリタン階級は今に始まったものではない。半世紀前、社会学者の故ロバート・マートン氏は著書『社会理論と社会構造(原題:Social Theory and Social Structure)』に、典型的な米国の都市であるニュージャージー州ロベールで行った有力者に対するケーススタディーの結果で記している。

 マートン氏は、人々が互いにどう関係し影響を及ぼし合っているのかを研究するため、小さな町を選んだ。ちょうど生物学者がわずか数百個の細胞しか持たない小さな虫を使って、それぞれの細胞がある生物全体にどう関係しているかを研究するのと同じだ。

 この研究の中で、マートン氏はあるはっきりしたパターンを発見した。ロベールの有力者は、「コスモポリタン型有力者」と、「ローカル(地元)型有力者」とに分かれているというものだ。コスモポリタン型の人物とは、自分の町を越え世界全体における自分の位置を常に確認している。一方、ローカル型の人物とは自分の済んでいる町の中で、自分の位置を確認しているのだ。

 研究グループのインタビューが進むにつれ、両者の違いはマートン氏にとって興味深く、重要になっていった。マートン氏は、コスモポリタン型有力者がロベールの外でも影響力を持っているとは言っていない。そんな人物は、恐らく1人もいなかっただろう。

 際立つのは、有力者たちが持つ習慣的な視点で、それは個人のアイデンティティーに関係している。インタビューの際、コスモポリタン型有力者はどんな話題でも、世界全体の事柄を引き合いに出した。一方、ローカル型有力者は自分の町の中のことを引き合いに出したのである。

専門医と町のお医者さん

 マートン氏によると、コスモポリタン型有力者は一般知識によって成功する傾向があるが、ローカル型有力者は友情やコネに依存しているという。コスモポリタン型有力者は、新しく町にやって来た人に会うことにあまり興味を持たないが、地元型の人は全住民を知っていたいと考えている。

 コスモポリタン型有力者は、地方政府でその広い専門知識を生かせる仕事に就いている。保健局や住宅委員会、教育委員会といったものだ。一方、ローカル型有力者は人気によって得る役職を占めている。商店街の理事や市長、郡区委員会のメンバーなどだ。

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