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賞金つき預金、くじつき債券

グラミン銀行だけではない

低所得者を救済する金融サービスの試み

  • ロバート・シラー

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2007年2月6日(火)

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 「金融業界は弱者に全く関心を持っていない」

 ほとんどの人はそう信じている。中所得層以下の人々は最終損益にほとんど貢献しないからだ。現代の巨大銀行や金融取引で金儲けする天才たちは、教会や好みの慈善団体、家族や友人たちには気前が良いかもしれないが、いざ仕事となると利潤の追求は容赦ない。

 その認識は大体正しいが、完全にそうというわけではない。昨年10月にノーベル平和賞を受賞したグラミン銀行創設者のムハマド・ユヌス氏を考えてみてほしい。ユヌス氏がバングラデシュで1976年に設立したグラミン銀行は、貧困層に少額融資をして貧困からの脱却を手助けしてきた。それでもグラミン銀行の利益は増え続け、彼らが提供し始めた「マイクロクレジット(少額無担保融資)」の仕組みはほかにも波及していった。

 ユヌス氏の最終的な動機はカネだったのだろうか。

 いくつかのインタビューで、「自国の貧困に苦しむ人々への深い同情の気持ちが本当の動機だ」と語っている。融資事業で利益を出すというユヌス氏の目標は、顧客の誠実さを信じたいという願望を反映したもののようだ。今までなおざりにされてきた人々の信用能力を証明するために、ユヌス氏はマイクロファイナンスで利益を出そうとした。それが証明できれば、貧困層への融資を続けることができるからだ。

利益を追求しながらも、儲けることが目的ではない

 ユヌス氏の活動によって、「利益を追求しながらも、儲けることが目的ではない」という逆説的な状況が起き、金融界の中にも広がっている。もともと低所得層向け金融の歴史は、最終損益だけに着目した活動ではなく、慈善的かつ理想主義的な活動の歴史という部分が大きい。19~20世紀の協同運動は、恵まれない人々を助けるため、貯蓄銀行や住宅金融組合、貯蓄貸付組合など多くの金融機関や保険会社との連携の中で進められた。

 このような慈善的金融は今日も続いている。ハーバード大学ビジネススクールのピーター・トゥファノ教授(金融学)は、自ら設立した「Doorways to Dreams(夢への入り口)」という財団で密かに非営利活動しており、低所得層の経済状態を改善する手助けを行っている。彼の話から判断する限り、彼の目的は全く気高いもので、自分のカネ儲けなど眼中にないようだ。

 トゥファノ教授によれば、低所得層の自立支援の取り組みが抱える根本的な問題は、彼らは老後の暮らしに必要なカネだけでなく、目前に迫る危機に対処するためのカネも必要としているという点である。

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