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応募倍率1700倍、中国の最新IPO事情

港と食品に人気が集中

  • 豊島 信彦

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2007年2月20日(火)

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 中国株のIPO(新規株式公開)に対し、現地投資家がどう反応するかを見ると興味深い。最近は港湾株と食品株に人気が集中している。昨年5月に香港に上場した天津市のターミナル運営会社である天津港は、一般投資家から1850億香港ドル(1香港ドル=15.5円)の申し込みを集め、その応募倍率は1703倍に達した。

 中国・香港市場を通して過去最高の倍率だ。その前月に上場した大連港も人気で倍率は851倍に達したがこれを大きく上回った。歴代の応募倍率2位は2004年1月上場の野菜を主力とする中国緑色食品で1604倍。そして今月23日に上場する果汁飲料のヒュイアン・ジュースはどうやらこれらに続く快記録となりそうだ。香港の日刊紙ザ・スタンダード紙は「ヒュイアンは個人の応募倍率が1000倍を超えそうだ」とする。 

 以前当欄で伝えた中国工商銀行、中国銀行といった中国を代表する企業のIPOでも個人の応募倍率は70倍台に過ぎなかった。ヒュイアンの人気は倍率だけではなく、売り出し価格が予想PER(株価収益率)の37.5~45.6倍と、香港ではとてつもなく高い価格で設定されていることにも表れている。通常はハンセン指数の予想PERが16倍程度のため、それより低い10倍台で設定される傾向が強い。
 

中国マネーが向かう先は政治銘柄?

 洋の東西を問わず、IPO(新規株式公開)は投資妙味が高いかどうかが人気を左右する。ただし、香港のIPOは市場の反応を念入りに調べたうえで売り出し価格が設定される仕組みのため、日本市場と違い“割安なIPO”はほとんど存在しない。つまり、IPO株を入手しても即、利益が保証されるわけではなく、それは上場後の相場次第なのである。

 そこでIPOへの応募には別の動機が働く。企業の将来性であり、特にその裏づけとして政府がどの程度バックアップしているか、という中国ならではの要素が大きい。香港では1997年の香港返還前後に中国政府が多数、香港に企業を設立して上場ラッシュとなり、レッドチップ(優良株のブルーチップに対する造語)ブームが巻き起こった。

 その際の投資尺度はそれら企業のバックにある省庁の力関係だった。ある意味では政治銘柄だ。97年5月に香港に上場した北京市直系の北京エンタープライゼスはIPO応募倍率が当時最高の1250倍に達した。

 しかしその後、前首相の朱鎔基時代に国有企業の政府部門からの切り離しと企業再編の大胆な改革が行われ、各省庁の力が直接、企業に働きにくくなった。それでも現在なお港湾は地方政府の力が及ぶ権益事業である。かつ地域独占で競合がない、という強みがあり、投資家を魅了する理由となっている。

最高値相次ぐ食品株

 では、食品はなぜなのか。もともと、中国の食品産業は工業化・近代化に遅れ、上場数は多くはない。表は主な中国の食品会社(香港上場の中国企業のみ)だが、農機など関連業種に枠を広げても主要企業は十数社だ。

 しかし、いずれも株価は昨年、大幅高となり香港証券取引所の代表指数であるハンセン指数の上昇率34%を大きく上回った。食品も政治が絡む。現政権は地方の所得格差の是正のためもあり、農業の強化を重点政策に掲げた。2月に入って穀物加工のコフコ、肥料のチャイナアグロ、輸出野菜の緑色食品、農機のファーストトラクターと農業関連銘柄が相次いで上場来高値を付けている。

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