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次の舞台は中国ではない

「上海発」世界同時株安の原因とその後

  • 豊島 信彦

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2007年3月19日(月)

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 旧正月が明けて間もない2月27日(火曜日)、上海の代表的な株式指数・上海総合指数が8.8%という10年ぶりの大幅な下落を見せた。なにせ1日の値幅制限が10%の市場だけにこの下落率は大きい。それが香港や他のアジア、そしてニューヨークまで飛び火し「上海発の世界同時株安」、と各地で報じられた。

 その夜、米国のダウ工業株30種平均は416ドル(3.3%)安と2001年の同時多発テロ以来の下げを見せた。同じ日、ブラジルでは中央銀行総裁が議会証言に立ち「この傾向が長期に続くかどうか分からないが、浮かれた経済政策はできないという警告だ」と述べ、地球の裏側にまでショックが広がった。

上海から日米へ

 しかし、これは序章に過ぎなかった。米国株の急落が翌日の新興国市場に連鎖的に影響。アジア最大(日本を除く)の香港市場では、ハンセン指数が2.5%値下がりし前日(1.8%安)より下げが拡大。他のアジア市場も一段安となった。まるで、悪性の二日酔いのようで、時間の経過とともにじわじわと各地の市場に売りが広がったのだ。

 そして翌週月曜日(3月5日)に第2幕が訪れた。この日のアジア株の下げ方は一部では「ブラックマンデー」と呼ばれるほどきつく、実際、1987年10月の米株暴落、あるいは2001年9月の米国同時多発テロ事件当時の月曜日を彷彿させるような雰囲気で売り一色となった。ハンセン指数は4.0%下げた。

 背景には世界経済の牽引役である米国経済に対する懸念が台頭、さらに日本では利上げで「円のキャリートレード」と呼ばれる短期資金の世界的な動きに変化が出始めたことが指摘される。つまり、第2幕は「上海」から「日米」に舞台が移ったのだ。ニューヨーク市場はその後も不安定だ。舞台は移ったのだが、今回の世界同時株安はなぜ、中国発となったのだろうか。

閉ざされている上海市場、99%は中国内の投資家向け

 中国本土市場の中心地・上海証券取引所は、時価総額が139.9兆円(9兆3270億元)に達する。深センの38.9兆円(2兆5950億元)を合わせると178.8兆円と、アジアトップ(日本を除く)の香港の194.1兆円(13兆1311億香港ドル)に迫っている。既に、売買金額では香港の2倍以上と圧倒、時価総額でも本土が香港を抜くのは時間の問題だろう。

 しかし、それらの99%近くはA株と呼ばれ、人民建ての国内投資家向け株式だ。2003年にQFII(適格海外機関投資家)制度が導入され、一定の要件を満たした海外の機関投資家に、A株や国内債など元建て証券への投資が認められるようになった。

 それでもその枠は3月5日時点で49社に合計99億9500万ドル割り当てられているだけで時価総額に対し0.6%に過ぎない。しかも、この制度では実質的には短期売買が許されておらず、国際的な流動性資金とは一線が画されている。

【訂正】1ページ目下から3段落目で上海、深セン、香港証券取引所の時価総額で、邦貨換算額を主に1桁多く表記するという誤りがありました。現時点の表記にお詫びして訂正させていただきます。

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