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サブプライム問題、米経済への影響は軽微

延滞率はわずか、企業支出も堅調に伸びる

  • マイケル・J・モラン

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2007年3月23日(金)

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 米国経済はここ最近、わずかな間に状況がかなり変わってきた。今年初めまでは、住宅市況が軟調に推移していることが、個人消費にどの程度の影響を与えるのか、また景気拡大を妨げるリスクになるのではないか、と見られていた。住宅市場の下落は現時点でも問題であることに変わりないが、リスクの性質が変化している。

 今リスクとして懸念されているのは、サブプライムと言われる信用力の低い人を対象とする高金利型住宅ローンだ。この問題によって、経済の根幹となる企業支出が鈍り、景気拡大に影響を与えるのではと心配されている。

 だが、状況をよく見てみると、米国経済はこの困難を乗り切れることが分かる。

【住宅市場】――後退でなく安定

 最近の住宅市場に関連する指標は、楽観的な材料にあふれている。販売数は月によってばらつきがあるが、新築市場も中古市場もここ数カ月の動きは安定している。加えて、住宅販売の仮契約指数やローン申請件数の最新データから、今後数カ月の動きも安定的に推移していることが分かる。米連邦住宅公社監督局(OFHEO)が発表した昨年10~12月期の住宅価格指数は緩やかに増加しており、住宅市場は後退ではなく安定を示している。

 住宅の販売や価格が安定していれば、本来は開発が促進されるが、建設業者はまだ売れ残り物件を在庫として大量に保有しているのも事実だ。価格下落のリスクを排除し、新たな建設ブームへの道を開くには、在庫を一掃する必要がある。ここ最近の戸建住宅の着工件数は販売件数に較べて少ないので、今後数カ月は在庫の減少が進み、最終的には完成住宅数が減少して在庫調整は進展するだろう。

 一方で、サブプライムローンの延滞やデフォルト(債務不履行)が表れているのも事実だ。これらの問題は、確かに様々な形で景気に影響を及ぼすと考えられる。

 例えば、ローン支払いで家計が苦しくなると、人々は消費支出を削らざるを得ない。金融機関がローンの審査基準を厳しくすれば、住宅ローンの流れが遅くなり、住宅販売に一層の調整局面をもたらすだろう。また、不動産担保証券に投資している人々やサブプライムローン会社の親会社は、損失のために支出を抑えなくてはならないかもしれない。

延滞率は1990年代の好況期より低い

 サブプライムローン利用者の多くは、返済を負担に感じているのは間違いないが、サブプライムローンが住宅ローン全体に占める割合は少なく、アナリストの推定では7%だ。しかも、サブプライムローン市場のごく一部が問題を抱えているに過ぎない。

 ローン延滞率の最近の推移もこの考えを裏づける。延滞額は全体として増えているが、過去に照らせば低い水準である。実際、1990年代の好景気の頃より、現在の延滞率は低い。

 多くの住宅ローン会社がサブプライムローン事業から撤退し、残りほぼ全社が規模を縮小している。審査基準が厳しくなったことで、信用力の低い家計は住宅ローンを組めなくなるため、住宅需要が縮小する。しかし、この調整は大半が既に始まっている。

 金融当局が審査基準の甘さに最初に気づいたのは2005年。その年の12月には、規律を作るため指針を示した。多くの金融機関は2006年中に指針に従い始めた。その証拠に、サブプライムローン利用者がよく用いていた変動金利型のローンは、大幅に減少している。

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