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第4回「デイトレードで儲かるのは誰か」

  • 板倉 雄一郎

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2007年4月16日(月)

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 私たち板倉雄一郎事務所が、デイトレードをおすすめしない理由、その3です。

問題その3:そもそも損をする可能性が大きいということ

 最後の問題点は、「デイトレードはそもそも損失を蒙る可能性が大きい」ということです。

 投資期間が短くなればなるほど、その投資が失敗に終わりやすくなるのは、統計的にも明らかです。

株式投資の投資期間と年平均リターンのばらつき(1950年-2002年)

 右図をご覧ください。
 これは、1950年~2002年における株式投資の投資期間と年平均リターンのばらつきをグラフにしたものです(初出は『ウォール街のランダムウォーカー』バートン・マルキール著、日本経済新聞社刊より)。

 ひと目見れば、投資期間が短くなればなるほど、年率リターンのばらつきが大きくなることが見てとれると思います。1年という期間で株式投資を行った場合、リターンはプラス52・62%からマイナス26・47%にまでばらついています。上下79ポイントものばらつきです。

 一方、投資期間が長くなるにつれてこのばらつきは小さくなっていき、投資期間が25年を過ぎると、ばらつきはプラス17・24%からプラス7・94%まで、上下わずか9ポイント台にまで小さくなるのです。

 1年間の投資でさえ、上下79ポイントのばらつきが見られたのですから、それよりもさらに短い、究極の短期投資であるデイトレードのリターンのバラツキ(年率換算)がどれだけ大きくなるかは、自明でしょう。

 投資期間は短期になればなるほど、損失を蒙る可能性が大きくなります。そして、究極の短期トレードであるデイトレードでは、損失を蒙る可能性は極めて大きくなるのです。

短期保有だからリスクは小さい?

 ところが、こうした事実があるにもかかわらず、「デイトレードは、株式を保有している期間(ポジションをとっている期間)が短いので、実は長期投資に比べてリスクが小さいのだ」、と主張する人がいます。

 その通り。これは当たり前の指摘です。しかし、リスクとリターンというのは常に裏返しの関係にあります。リスクが小さい分、当然リターンも小さくなるのです。「デイトレは、ポジションをとっている期間が短いのだからリスクが小さいのだ」という主張は、実は何も言っていないに等しいものです。「デイトレはリスクが小さい」というこうした発言は、自ら「デイトレはリターンも小さい」と言っているのと同じなのですから。

 そこで実際のデイトレでは、短い期間においても高いリターンを上げるために、無理をしなければなりません。短い期間の間で回転率をいかに高めるか、が重要になってきますから、何度も何度も売買を繰り返すことになります。何度も売買を繰り返す、ということはすなわち、高いリスクに身をさらすということにつながるのです。

 ここまで説明すればお分かりですね。「デイトレードはリスクが小さい」という主張は、ある前提を無理やりに置けば正しい主張だと言えるかもしれません。つまり、「短い時間で高いリターンを上げようと無理をしない」のであれば、ポジションを持つ時間が短い分、長期投資よりもリスクは小さくなるのかもしれません。しかし、その前提を置いた瞬間、もはやその「デイトレード」は、いま世間で喧伝されるハイリターンの「デイトレード」ではなくなってしまうでしょう。

後づけのチャート分析には根拠がない

 デイトレードで投資対象(投資って言葉を使いたくないですね、「投機対象」と呼ぶべきでしょうか)を選ぶにあたっては、さまざまな基準があります。

 その中でも特に重要視されているものが、過去に株価がどういった動きをしてきたか、を示す「株価チャート」です。

 「チャートがこういう状態だから買い、チャートがこういう状態だから売り」、というパターンが、カリスマ・デイトレーダーの方々によれば、あるらしいのです。

 デイトレードのセミナーに出席すると、さまざまな推奨株の過去のチャートを示してそれを解説することがよく行われています。

 しかし、世の中で、後づけで解説することほど簡単なことはありません。
 株式の過去の値動き等で、チャート分析を行い、それに基づき投資判断を行う人のことを、「チャーティスト」と呼びます。また、こうしたチャート分析等の過去の値動きの分析のことを、「テクニカル分析」と呼びます。

 前述の『ウォール街のランダムウォーカー』を著したバートン・マルキールは、「チャーティスト」と「テクニカル分析」について、以下のような辛らつな言葉を述べています。

 「私はチャーティストに対して偏見を持っている。それは、個人的な好き嫌いという次元だけではなく、プロの立場に立った時の見解でもある。テクニカル分析は、学者の世界では異端の教義であり、それを非難するのは私にとって喜びでさえある。私を、このような弱い者いじめに走らせる動機は、第1に、この手法が明らかに間違っていること、第2に、いじめやすいこと、である。これほど哀れな対象をいじめるのは、多少アンフェアな気もするが、忘れないでいただきたい。私が守ろうとしているのは、ほかならぬあなたの財布なのだ」

 非常に厳しい言葉ではありますが、私たちもこの件については、基本的にバートン・マルキールと同意見です。

 次にあげる文章は、あるチャーティスト、テクニカルアナリストの文章です。
「先週の日経平均は、一時2年ぶりとなる○○円の大台を回復しましたが、その後は、日足、週足上の短期下値抵抗ラインを下抜きました。来週の相場レンジは、大きくブレる展開が予想されます。売り圧力が強まるとの見方がある一方、日足の上値抵抗線が走る△△円前後をトライする可能性もあります。ただ日経平均が既に買い転換して 押し目もないまま上昇してきていることや、短期の下値抵抗ラインを下抜いてきたため、多少調整する可能性があります。週足では、下値抵抗ラインが□□円前後に走っており、××円前後が止まりやすいポイントとなりそうです」

 何を言っているのか、意味、分かりますか?

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