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Vol. 2 fund
ケインズって、トゲトゲしいヤツ?

2007年4月27日(金)

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 ちょっと前に『ヘッジホッグ』(原題はHedgehogging)という本を訳した。ヘッジファンドをはじめとする資金運用業界の内幕、特に「運用業界というのはこんなにもヘンなやつらがごろごろしてるんですよ」という話が中心だ。タイトルのhedgehogはハリネズミのことで、ブタ(hog)のごとくガツガツしたヘッジファンドの連中という意味と、トゲトゲしくもラブリーな連中という意味がかけられている。

 この本を見つけたのは出版直後に英国の経済誌「エコノミスト」に出た書評で、そこではこんな一節が引用されていた。

 "who sometimes walked across the Cambridge campus pumping (urinating) and who was famously gay, lecherous and notoriously promiscuous"

 「(略)ケンブリッジのキャンパスを放水し(小便をばら撒き)ながら闊歩し、ホモの好き者で通っていて、しかも手当たり次第にヤりまくっていることで名高い(略)」(いずれかに該当する方、すみません。いまどき特別なことでもなんでもないんだけれど、当時この人がいた社会では、これは目立つことだったようです)

その人はケインズ

 20世紀の初めごろ、ケンブリッジ大学にいたこの人の名をジョン・メイナード・ケインズと言う。ケインズはおそらく元祖ヘッジファンドマネジャー(つまりヘッジホッグ)で、実際いまでも、アグレッシブな運用をする人にケインズ好きは多い。

 ヘッジファンドって何だ、何をもってヘッジファンドとするんだというのは難しい問題だ(たとえば考えようによっては、商業銀行は古典的なヘッジファンドだとさえ言える)けれど、ケインズの場合、次のような取引戦略や運用哲学に従っていた点が、今日で言うグローバルマクロそのものだ。

 ...... he saw himself as a scientific gambler playing the economic cycle by speculating in currencies and commodities. He knew leverage was dangerous but believed he was nimble enough to escape any disaster......

 「彼は自分を、通貨を商品の投機を使って景気循環で賭けをする科学的ギャンブラーであると考えていた。レバレッジは危険だと知りつつも、自分はどんな大災害も抜け目なく動いて避けることができると信じていた」

お金でなく資金、複数形もあり

 さて、Fundとはお金、それも抽象度がやや高い意味でのお金のことだ。日常的な文脈でいえば、「お金」よりもむしろ「資金」のほうがぴったりくる言葉である。こうした「資金」の意味では、普通は複数形でfundsと表現する。たとえば国際資金移動はflow of fundsだ。そんな「資金」が主体性を持つと国際通貨基金 = International Monetary Fundやmutual fund = 投資信託になる。こちらは普通の名詞と同じように1つなら単数形、複数なら複数形で使われる。

 Fund of fundsと言えば投資信託(funds)を買う投資信託(fund)である。fundは動詞として使われることもあり、「資金を手当てする」という意味である。Funding riskと言えば、将来必要な資金が調達できない可能性とその深刻さのことだし、年金基金がunderfundedであると言えば、将来支払うであろう年金給付に見合っただけの資産を、その年金基金が持っていない状態であることを指す。

 その昔、新聞の市場関係の記事でよく見かける言葉に「米系ファンド」があった。たとえば、ドル円レートが大きく動いた翌日の新聞を見ると、よく、「米系ファンドの買いでドルが急騰」云々などと説明が出ていた。当時僕はアメリカ方面(米系ですから)の投資家が日本円を売って米ドルを買ったんだろうというぐらいはわかったけれど、いつも不思議に思っていたのが次のような点だ。

 1) ところで、そのファンドって誰? どんなファンドのこと?
 2) 米系ファンドしか新聞に出ないのはなぜ? 欧系ファンドや(なんなら)日系ファンドの売りでポンドが下がったっていう記事、見たことがないんだけど。

 その後、新聞にそういう表現が出なくなったせいか、あるいは僕がそういう形で相場を見ることに興味をなくしたためか、そんな疑問はすっかり忘れていたが、今回のfundというお題を見たときに、はたとそのころのことを思い出した。当時と違って、いまじゃ何かを知りたくなったときにはグーグルという強力な武器がある。

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面白かったです。次号も期待!(2007/04/27)

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