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大幅下落の市場心理――
1日限りの下落に過剰反応

  • ロバート・シラー

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2007年4月2日(月)

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 2月27日の中国の株価急落は、世界の主要株式市場に長く悪影響を及ぼしているようだ。同日グリニッジ標準時7時、上海総合株価指数終値は前日比8.8%安をつけた。中国では10年振りの大幅下落である。

 株価急落はほかの国々にも連鎖的に広がった。シンガポールST指数は2.3%、インド・ムンバイのSENSEX30指数は1.3%、ロシアRTS指数は3.3%下落。ロンドンのFTSE100種総合指数は2.3%下がった。ロンドン市場の取引が閉まったグリニッジ標準時間の午後9時には、ブラジルのボベスパ指数は3.3%、ニューヨークのダウ工業株30種平均は3.3%下落した。

 このダウ平均の下落率は大きく、これよりもひどい下げは1950年1月以降わずか35回、つまり20カ月に約1回の頻度でしか起きていない。2週間後、先に上げた市場で、上海市場以外のすべてで、2月26日の終値から、さらに4.3~7.8%下げた。

 さらなる大幅な値下げは、問題の根深さから世界中の人々を驚かせた。中国株が下落したきっかけは、中国政府が投機を心配して、株式市場を規制する計画という噂が飛び交ったことだ。これは中国以外の地域には論理上、全く関係のないように思われる。

ファンダメンタルズで判断していない

 しかし、株式市場が経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)に関する情報のみに応じて動く、と信じていなければ特段、驚くことはない。主要株式市場の急落というものはいつでも、市場心理のために、長く続く一般的な影響を持つもの。中国は経済的に繁栄しているという先入観を世界中の人々が持っていることを考えれば、現在の中国は世界中の投資家にとって非常に突出した市場である。

 歴史を参考にすれば、市場は1日限りの下落で非常に不安定になり得るものだと分かる。それは、長期にわたってもっと大きく下げるよりも、投資家にとって心理上の顕著性を持つ強烈なニュースとなるのだ。

 例えば、1928年の12月6日にダウ平均が3.8%下落した時、人々は本当に動揺した。これは、13.5%暴落した29年10月28日の暗黒の月曜日(ブラックマンデー)の約1年前のことだ。もちろん今となっては、28年の株安を覚えている人はいないだろうが、当事者にとってそれは重大な出来事だった。

 翌日の新聞は、株価の下落を「今までで最も深刻な下落」だとか「20年7月1日以来最悪の金融恐慌」などと評した。

 その日の新聞は、どの記事を取ってみても、経済のファンダメンタルズを分析したり、急落の原因をはっきり指摘したりしたものはなく、「ジャックが建てた家が倒れた」とか「仲買人はガタガタ震えた」などというセンセーショナルな表現に終始していた。

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