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それでも金融技術に期待する米国

ヘッジファンド破綻、サブプライム問題の向こうにある利点

  • 鈴木 敏之

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2007年4月6日(金)

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 多くの技術革新は歓迎されるが、なぜか金融技術の革新には不安、例えば1998年のLTCM(ロング・ターム・キャピタル・マネジメント)危機のような事態が突然に起きるのではないかという心配がある。

 今日、金融技術の進歩で、信用リスクの移転は広く行われているが、それによってモラルハザードを引き起こし、さらに信用リスクのつけ替えを拡大しているのではないかという心配を言う声もある。その一方で、金融革新がもたらす効能を過小評価し、不安を過大評価していないかという疑念も持たれている。

経済の変動を平準化、金融取引の透明化をうたう連銀幹部

 金融革新を肯定的に評価するのは、昨今の経済論議の大きなテーマになっている。リッチモンド連銀のラッカー総裁は、金融革新が起きて利用可能な金融手段が広がったことで、企業も家計も、そのキャッシュフローに合わせて効率的な運用、調達ができるようになり、突然、収入が減少してしまうことに対して耐久力がついていることに着目し、これが、「マクロ経済の変動を平準化している」と主張している。

 インフレが安定し、景気循環が小さくなって、なかなか深刻な不況にならないことを、大いなる安定(Great Moderation)と言う。昨今、このラッカー説のように、この大いなる安定が得られたのは、金融の自由化で金融革新が進んだ結果という見方が広まっている。

 また、米FRB(連邦準備理事会)のクロズナー理事は、金融革新が金融取引の透明化をもたらしている効用を指摘している。農産物の先物が取引されるようになる以前は、農産物取引に必要な情報は当事者間にしかなかったため、市場は非効率であった。今日、どれだけの作付けがあるか、作柄はどうか、需要サイドの状況はどうかの情報が広く共有されたことで、農産物取引は効率化され、先物を利用して、多くの人々がリスクをヘッジすることが可能である。

 それは、マクロ経済レベルでも効率化をもたらす。同じことが、金融でも起きているというのが、クロズナー理事の主張だ。ローンの取引は、金融機関と借り手の間にしか情報がない時代と今では、激変している。ローンのリスクが取引される市場があることで、借り手の信用状態などの情報は市場参加者に共有され、信用リスクに応じたポートフォリオ管理も柔軟にできる。金融機関は同じ資本でも、より多くの貸し出しを実行でき、これは、借り手からすると、資金調達のコストを下げる。

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