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農業再構築がインド経済の決め手に

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2007年4月10日(火)

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 インドは平地が多いため、1億6000万ヘクタールという世界第2位の広大な耕地面積を有している、というのをご存じだろうか。それは米国に次ぐ規模なのだが、潅漑農業ができる面積では1位である。 また、10億人を超える総人口のおよそ70%は農村地域に住み、その85%は農業を専業としている。インド経済における農業のウエートは高く、昨年はGDP(国内総生産)の22%に達した。

世界屈指の農業国ながら生産性は低い

 インドの農業・酪農は牛乳で世界1の生産量(2005年は9100万トン)を誇るほか、果物(同5800万トン)と野菜(同9900万トン)は2位。卵は6位(同4500万トン)、畜肉は7位(同500万トン)である。このほか、漁獲量は世界1位(同6300万トン)に達する。

 ところが、である。これだけの生産量を誇りながら農産物の輸出は年間90億ドルで、世界全体の農産物貿易の1%に過ぎない。その原因は何十年も続いてきた貧弱な農業政策のせいと言える。まず、あまりにも政府による統制が厳し過ぎる。さらに国の農業投資は少なく、インフラも整備されていない。価格メカニズムがうまく働かず、農家向け貸し付けなど農家を刺激するような支援策も限定されてきた。

 インドの貧弱な農業政策は、同じアジアの新興国、中国と比較すると明確になる。中国ではインドより耕地面積が40%少ないのに、農業生産額は40%多い。もっと極端な例を探せば、米国では人口の3%に過ぎない農家が農産物を輸出できるほどの生産性を誇るのに、インドでは60%の人口が輸出競争力を持たない農業にしがみついている。

 インドの農業が国際競争力を持たないのは、農家1戸当たり耕作面積が1エーカー(4000平方メートル)に満たず、規模の利益が出ないのだ。それに驚くべきことに、生産量の30%程度が収穫後に様々な理由で、廃棄されてしまっているのだ。

ここ数年で改善の兆し

 最悪のように見えるインドの農業だが、ここ3~4年は政府が本来の役割を果たすべく変身して、積極的な政策を打ち出し、農業の価値創造へと動き出しつつある。マンモハン・シン首相は「我々の優先課題は農村にニューディール政策を展開することだ」と言明している。そのために効果的な農業政策と、農業インフラの整備を打ち出し、幅広い農業分野で革新を促そうとしている。

 具体的には「農業に関する生産と流通委員会条例(APMC)」を制定、契約農家制度、あるいは農家によるダイレクトマーケティングや、商品取引所への参加などが動き出した。また、1989年制定の商品管理条例でコモディティー商品のうち75品目が政府によって統制されてきたが、これを15品目にまで削減した。さらに、政府はビール、飲用アルコール、ワインなどの一部製品を除いて、農産物加工の認可制度を廃止した。これに関連して多くの食品加工分野で外国技術導入を自動認可制(届出制)にした。

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