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「巨大借金国家」米国の不思議

ドル安による転落回避が続く

2007年4月13日(金)

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 米国が借金超過に転落してから、既に20年という月日が流れた。その間にたまった対外純債務の数字は莫大である。借金超過に転じた時は、折しもプラザ合意があったことで、ドル安が加速して、利払い負担が軽減され、乗り切ることができた。その後も、経常収支は莫大な赤字は続いたが、今のところは「ドル暴落」という事態に至っていない。

 それにしても、長期間の赤字によって、対外純債務は2005年末で2兆5000億ドル(300兆円)にも達してしまった。いかに米国の経済規模が大きいとはいえ、国内総生産(GDP)の2割以上に上る対外純債務を抱えているわけだ。

 なぜ、米国はドル暴落を招かずに済んでいるのか。その秘密は、資産・負債の構図に隠されている。

膨大な直接投資残高

 米国の対外資産・負債を見ると、大きな特徴があることに気がつく。まず負債勘定だが、ドルが他国の準備通貨となっているために、対外負債における外国政府保有資産が2兆2000億ドル(264兆円)に上っていることが分かる。近年では、ユーロに準備通貨を分散する傾向も出ているが、「大量のドルを売ってシフトする」という事態には至っていない。つまり、各国は外貨準備の増加分をユーロなどに振り向けている状況である。その証拠に、米国の対外負債勘定では、外国政府保有資産がいまだに増加し続けているのだ。

 資産勘定に目を向けると、直接投資残高の数字が大きいことに気づく。3兆5000億ドル(420兆円)にも上り、資産総額11兆ドル(1320兆円)の3割強を占める。ちなみに、増加している日本の直接投資残高でも45兆円にすぎず、米国の9分の1程度にとどまる。日米の経済規模を考慮しても、米国の対外直接投資残高は日本の2倍程度の規模と言える。また、負債勘定においても直接投資は2兆8000億ドル(336兆円)と大きく、対外負債13兆6000億ドル(1630兆円)の2割を占めている。日本の12兆円と比べると、30倍にも達する数字だ。

 直接投資残高は、資産、負債のどちら側も大きな額ではあるが、その差も大きい。資産の方が7000億ドル(84兆円)も上回っている。地域別では、欧州への直接投資残高が大きく、構成比(2005年)で見ると、英国15.6%、オランダ8.8%、ドイツ4.2%、スイス4.0%となっている。欧州以外ではカナダの11.3%が大きい。日本に対しては3.6%となっており、メキシコの3.5%と同水準にとどまっている。

 もっとも、この数字が投資先としての重要性を正確に示しているわけではない。米経済分析局によると、米国企業は最近20年間で、海外子会社を持ち株会社の傘下に集約してきており、「所有の間接化」が進んでいる。そのため、上記の構成比は、米企業の海外拠点の分布状況とは違っている可能性が高い。例えば、欧州進出は、英国にある持ち株会社を通じて行っている、といった事情がある。とはいえ、米国からの直接投資で、欧州がキーとなっていることは疑いようがない。

ドル安が赤字転落を救い続ける

 対外資産、対外負債から発生するフローの投資収益は、現在ほぼ均衡状態である。2006年は対外資産からの受け取り収益が6190億ドル(74兆2800億円)、対外負債に対しての支払いが6199億ドル(74兆3880億円)と拮抗している。

 受け取り収益のうち2959億ドル(35兆5080億円)が直接投資の収益である。利回りにすると8%以上の収益率になる。ところが、支払い収益は1456億ドル(17兆4720億円)にとどまり、受取額の半分となっている。収益率も5%程度にとどまる。

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