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再編で巨大化する欧州のビールメーカー

  • 服部 哲郎

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2007年4月18日(水)

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 日本のビール業界では、サッポロホールディングスを巡る買収戦が注目を集めている。世界のビール業界に目を向けると、実は大型再編によって誕生した巨大ビールメーカーが存在感を着々と強めている。

 先進国のビール需要の伸び悩み、新興国市場の成長という環境下で近年、ビール業界では大型M&A(企業の買収・合併)が相次いだ。その結果、販売量で日本のビール会社の7倍以上に達する巨大ビール会社が相次いで誕生している。

 2005年における世界シェア上位5社はベルギーのインベブ(シェア14%)、南アフリカ共和国のSABミラー(同12.2%)、米国のアンハイザーブッシュ(同11%)、オランダのハイネケン(同8.1%)、デンマークのカールスバーグ(同4.4%)となっている(図)。巨大ビール会社はさらに新興国市場のローカルブランドのビール会社を買収して、傘下に収めている。

再編する3つの理由

 これらの巨大ビール会社の収益源は主に、(1)新興国市場、(2)コスト削減、(3)プレミアムビールへのシフト――の3つに分類される。

 まず新興国市場への進出強化を見てみたい。中国、ロシア、ブラジルなどの新興国はビール消費大国でもあるが(2004年の消費量では中国が世界第1位、ブラジルが第4位、ロシアが第5位、キリンビール調べ)、人口1人当たり消費量では消費量で世界第3位のドイツの20~50%に過ぎない。つまり今後、所得水準の上昇とともに1人当たりのビール消費量が伸びる可能性が高いと見込まれている。

 これらを見越して、巨大ビール会社は新興国市場にM&Aなどを通じて足掛かりを築いているわけだ。中には既に収益面で寄与するケースも見られる。例えば消費量の伸びが著しいロシアでは、英国のスコティッシュ&ニューカッスルとカールスバーグの合弁会社であるバルティック・ベバレッジズ、インベブ、ハイネケンの3社が2006年にシェア合計で70%近くを占めている。巨大ビール会社による寡占化が進んでおり、有力な収益源に育っている。

 第2のコスト削減は、ビール会社を取り巻く外部環境が影響している。ビール会社は現在、パッケージに使用するアルミ、原料の大麦価格が上昇して、利益の圧迫要因になっている。特に大麦は豪州や欧州の悪天候による不作、バイオ燃料への需要増大に伴う大麦からの生産シフト発生といった逆風に見舞われており、コストの上昇圧力が強まっている。

原材料、パッケージのコスト比率は20%

 ハイネケンによると、原材料、パッケージのコストが全体の費用に占める比率は20%で、ビール単位量当たり7~8%のコスト増になる見通しとなっている。

 その対策として、各社は世界各地に散らばるグループ企業で共同購入を実施して、単位当たりコストの引き下げを図っている。例えば、相次ぐ買収で規模を拡大させたインベブでは、2006年12月期にビール単位量当たりの売上原価は2.5%減となり、マージンを拡大させることに成功した。コスト競争において巨大ビール会社は優位な立場にあるわけだ。

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