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Vol. 5 Duration
こいつがなんだか、一言で言えますか?

2007年5月25日(金)

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 最近は僕の働いている業界では、一般個人投資家向けの説明で難しい概念が飛び交うようになった。金利の高い外国の債券に投資するファンドが流行ったおかげか、デュレーションとコンベクシティがその代表例だ。

 一昔前なら、債券のデュレーションとコンベクシティを計算したり、ポートフォリオのデュレーションとコンベクシティを調節したりできるようになるだけで学校の授業が数回分は終わったものだ。少なくとも僕が学校に行っていたころはそうだった。モルガン・スタンレーのセールスだったフランク・パートノイという人が1997年に出した『大破局(FIASCO)』という本にも次のような一節が出てくる。

 A more advanced course in finance would include not only present value, but also two other concepts: duration and convexity. The bird-bush metaphor doesn’t work very well for these concepts, and when business school students ? and most salesmen and traders ? hear either of these two words, they run screaming.

 (ファイナンスでももっと上級の授業になると、現在価値のほかにも習うことがあと2つある。デュレーションとコンベクシティだ。これになると、遠くのリンゴより近くのリンゴ、なんてたとえ話はもう使えない。ビジネススクールの連中――それからセールスやトレーダーの皆さんもほとんど――は、この2つのうちどっちかでも聞こえようもんならもう泣いてはだしで逃げ出そうってぇぐらいの代物だ。――フランク・パートノイ、“Fiasco: The Inside Story of a Wall Street Trader” 1999 Penguin)

聞いた人を麻痺させる呪文

 そういえば僕もかなり昔、聞かれたくないことを聞かれた債券方面の人が、「デュレーション」と「コンベクシティ」の呪文を唱えて、聞いた人を麻痺させてしまうのを目撃したことがある。要は、10+α年ぐらい前、デュレーションはそんな「まっとうな皆さんの目に触れてはいけない言葉」だったのである。

 実際、コンベクシティの方は数学用語で、「原点に向かって凸」であることやその程度を表す概念だ。あ、すみません、まだ泣いて逃げ出すところじゃないですよ。とりあえず今回はデュレーションにしぼって話をさせてもらう。

これが大きければ、リスクも高い

 デュレーションは金利感応度、つまり金利がちょっと動いたときに債券の価格が何%動くかを表す数字だ。金利が1%上がったときのこの債券の価格変化率は-10%だ、といったように。金利が上がるとき、ほとんどの債券の価格は下がるので、そのまま考えると符号はだいたいいつもマイナスになる。だから「-10」なんて言わなくても「10」と言えばわかる。そんなわけで、この債券のデュレーションは10だと表現されることになる。

 債券業界では、デュレーションはリスクの指標として広く使われている。たとえばUSドルの代表的な金利のひとつである10年ものスワップレートは、標準的には1年間で1%をちょっと下回るぐらいの変化をする。その10年ものスワップレートに対するデュレーションが8の債券ファンドをもっていたとしたら、1年間での標準的な儲けは±8%ぐらいの幅を持つ。

 だから、おおざっぱには、デュレーションが大きければ大きいほど債券投資のリスクは大きい。あるいは、スワップレートが今後3カ月で0.5%下落すると思っているなら、そのおかげで4%ぐらいの儲けが出る。債券周辺の人はデュレーションがいくつかという話をしながら、そんなことを頭に思い浮かべているのだ。

「一言で言うとなんですか?」「…」

 これなら多分そんなに話は難しくない。そう思っていたのだ、ついさっきまでは。ところが、ある人にそう言ってみたらおもいっきりダメ出しを食らった。人前でさっきみたいなことを語ると、説明が長すぎるしもっと簡単にしろといわれるらしい。

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