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サルコジ政権誕生とユーロ金利

政治介入とECB利上げサイクルの行き着く先

  • 本多 秀俊

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2007年5月16日(水)

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 5月6日に実施された仏大統領選第2回投票(決選投票)で、与党国民運動連合のニコラ・サルコジ氏が新大統領に選出された。84%を超える驚異的な投票率は、仏国民が「現状を変えたい」という強い意志を持って今回の大統領選に臨んだ事実を物語っている。時を同じくして英首相も交代。欧州には「何かが動き出す」という期待感が渦巻いてきている。

 果たしてサルコジ大統領の登場は、好調EU(欧州連合)経済の舵取り役、ECB(欧州中央銀行)の金利政策にどう影響を及ぼすのだろうか。

ECBに高圧的な姿勢のサルコジ氏

 「未来の仏大統領」と長く認められてきたサルコジ氏にとって今回の大統領選挙は、満を持しての登場であり、本命中の本命として各種世論調査などでも終始首位の座を走り切っての当選であった。当然、以前からサルコジ氏の言動は、「次期大統領」の言動として注目を集めてきたわけだが、我々為替相場にたずさわる外国人(非フランス人)にとっては、サルコジ氏といえば、欧州中銀の利上げに批判的、ユーロの上昇に牽制的という印象が強い。

 選挙戦の争点には挙がらなかったものの実際、サルコジ氏は選挙キャンペーンでも、「ECBの行き過ぎた金融引き締めが仏経済から活気を奪い、そのうえ金利上昇を背景としたユーロ高が仏経済の競争力まで奪っている」との攻撃を繰り返していた。

 同氏の欧州中銀に対する高圧的な姿勢は、既に周辺国の懸念となるまでに至っている。サルコジ氏の当選が確定した直後の5月8日、ブリュッセルで開催された欧州財務相会合からは、「ECBは鎖につながれた状態にあってはならない」と、金融政策への政治介入を牽制する声が聞かれた。

頑迷さを遺伝子に持つ欧州中銀

 一方のECBといえば、これまた、その金融政策に対する政治介入には極端な反発を示す姿勢が印象的だ。ECBの頑迷さを表すエピソードとして今も記憶に新しいのは、1999年3月18日のオスカル・ラフォンテイン独財務相辞任と直後(4月8日)の政策金利の引き下げだ。

 わずか5カ月の在任期間中、同財務相は一貫してECBに(物価だけでなく)成長と雇用への配慮もその政策に反映すべきとの主張を続け、利下げを要請し続けた。あまりに財政拡大的なその政策が独財界の反発を買い、同財務相は突然の辞任に追い込まれた。この辞任と、続くECBの利下げとを因縁めいて結びつける議論は、当時も盛んに聞かれた。

 実際、98年末から鮮明になっていたように、ユーロ圏経済は減速、加盟各国が史上最悪の失業率を次々と更新する一方、物価は前年比プラス1.0%を割り込む水準にまで落ち込んでいたから、3月以前に利下げに踏み切っていたとしても何の不思議もなかった。ECBはその4月に3.00%から2.50%へ0.50%の利下げに踏み切ったわけだが、もっと早期の利下げであれば0.25%の利下げで済んだ可能性も十分に考えられた。

 「政治圧力に屈した」との印象を避けるために、依怙地なまでにラフォンテイン財務相の要求をはねつけ、同財務相にあてつけるかのように辞任の直後に利下げを実施したと、周囲に受け止められるのもやむを得ない状況だったと言えるだろう。

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