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保険金不払いはなぜ起きる?

契約を理解しないあなたにも責任がある

  • 内藤 眞弓

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2007年5月21日(月)

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 保険は加入することが目的ではなく、「支払われるべき時」にキチンと「支払われること」が目的で、私たちはそのために保険料を払っています。このことは簡単なようでいて、顧客・保険会社双方にとって難しいことが、多くの不払いや請求漏れの存在により明らかになりました。

 まず、生命保険契約に関する保険会社側の問題点、顧客側の問題点を整理してみましょう。

保険金不払いは契約者側にも問題がある

【保険会社側の問題点】
(1)不安をあおり、安心のイメージだけで販売する
(2)契約内容の説明不足
(3)契約上のルール遵守が周知徹底されない
(4)請求漏れ・支払い漏れを防ぐシステムが構築されていない

【顧客側の問題点】
(1)曖昧な不安から、安心のイメージだけで安易に購入する
(2)契約内容の理解不足
(3)契約であることの重要性を認識しない
(4)「入っていれば安心」と請求時のことを考えない

 このように整理してみますと、顧客・保険会社双方の問題点は、裏表の関係にあることが分かります。ただし、保険会社が商品の開発をし、保険金支払いの可否を決めるわけですから、情報の非対称性から言っても、顧客よりも大きな責任があることはもちろんです。実際にどのようなトラブルが発生しているか、具体例を挙げてみます。

「医師の診査が不要だから給付金は無条件で払われる」はウソ

例1 「医師の診査も告知も不要」ということは給付金も無条件で支払われると思った

 これはメリットばかりを強調し、デメリットをきちんと説明しないことによるトラブルです。給付金が支払われない「免責事由」は、顧客に交付される約款に記載されていますが、細かい字で読みづらく、専門用語が多く分かりづらいといった問題点があります。

 ただし、給付金等の請求に対して、保険会社は何でも支払えばよいというものではありません。「支払い事由を満たしているか」と「ルールに則って正当に契約されているか(告知義務違反はないか等)」を審査し、支払いの可否を判断します。

 保険はたくさんの契約者が保険料を出し合って支える「助け合い」の仕組みです。契約者間の公平性を保つためにも、保険金や給付金支払い時の審査は不可欠です。そして、適切に保険金支払いの可否を判断することが各保険会社のノウハウなのです。

 保険会社は加入のメリットだけではなく、保険の仕組みや意義、契約上のルールなどを正しく伝える責務があると言えます。

告知義務違反をすると払った保険料は一切戻らない

例2 過去の病歴を告知書に書く必要がないと言われたが、告知義務違反を問われた

 前述の通り、保険は助け合いの仕組みです。契約者間の公平性を確保するためには、助け合いの輪の中に入る人の危険度合いを一定範囲内に収めなくてはなりません。職業や健康状態の告知は、そのための判断材料となる重要なものです。

 営業の人に話したことで告知したつもりになる方が多いのですが、本人自ら告知書に記入をしなくては告知をしたことにはなりません。

 告知義務違反をした場合、保険会社は一方的に契約を解除することができます。解除になれば、それまでに支払った保険料は戻ってきませんし、保険金等の支払い事由が発生していても受け取れない可能性があります。

 ただし、契約が2年間有効に継続した後は解除することができません(解除権の消滅)。この解除権の消滅を拡大解釈して、告知義務違反をしても2年経てば何でも保障されると思い込んでいる方がいます。

 それを根拠に、営業の人が告知をしないように勧めることもあります。しかし、2年以内に入院などの給付金支払い事由が発生していると、2年経過後であっても解除できるといった例外規定が設けられているケースがほとんどです。

 保険は契約であることを十分認識し、ルールを守って加入をしないと、支払われない保険金のために保険料を払い続けることになるかもしれません。

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