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Vol. 6 Convexity
凹凸がとても難しい

2007年6月1日(金)

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 前回のデュレーションの話に続いて、今回はコンベクシティの話。まずデュレーションの使い方について復習しよう。デュレーションが10の債券があったとして、金利が1%上がればこの債券の価格は-10×1% = -10%で、10%下がる、そうでしたね?

 じゃ現実の数字でやってみよう。2007年5月17日現在、たぶん一番デュレーションが大きい日本国債は、クーポン2.4%、2037年3月27日償還で、価格は今、額面100円あたり101.58円、デュレーションは金融情報サービスの米ブルームバーグによると18ぐらいだから、上の計算を使うと、金利が6%上がればこの債券の価格変化は6%×(-18) = -108%、価格は101.58×(1-1.08) = -8.13とマイナスになる。

 こんなことがあったらいいでしょうね。国債買ったらお金を払うんじゃなくて、もらえるってんだから。

お金をもらって国債を買える!?

 もちろんこれは計算がおかしいんで、国債の価格がマイナスになることなんてありえない。どこがおかしいかというと、デュレーションと金利の変化で計算できるのは、債券価格の変化率の近似値なのだ。近似値だから誤差があって、金利の変化が大きければ大きいほど、その誤差も大きくなる。金利が6%上がれば上の債券の正しい価格は35円ほどだ。価格変化率の誤差は40%以上だから、こんなんじゃもう近似値なんていえない。

 そこでコンベクシティの登場。デュレーションを使った近似値の誤差を修正するために使うのがコンベクシティだ。でも、デュレーションの回で引用したパートノイはこんなことも書いている。

"Convexity" is an incredibly complex topic far beyond the scope of this book. All you need to know about convexity ---in fact, all that 99 percent of people who work on a trading floor know about convexity---is this: Convexity is good. The more convex a bond is. the more money you will make on it when interest rates change. This explanation works for the bizarre term "negative convexity," too.
(コンベクシティの話は信じられないぐらい難しいもんで、この本じゃとても扱えない。知っといたほうがいいのは――実のところ、トレーディングフロアにいる連中の99%が知っているのも――これだけ: コンベクシティはいいもんだ。コンベクシティが大きい債券ほど、金利が動いたときにより儲かる。「ネガティブコンベクシティ」っていうヘンな言葉にも同じことが言える。――フランク・パートノイ、“Fiasco: The Inside Story of a Wall Street Trader” 1999 Penguin)

 「信じられないぐらい難しい」んだってさ。

 「コンベクシティが大きい債券ほど、金利が動いたときに儲かる」っていうのはこういうことだ。今、デュレーションが同じ10の債券が2つあるとする。デュレーションを使った近似によると、金利が1%上がればどちらの債券を持っていても10%損をする。でも、一方の債券はコンベクシティがとても大きく、もう一方はそれほどでもないとすれば、前者の債券は後者の債券ほどには値下がりしないのだ。

コンベクシティは大きいほうがいい

 話はそれだけで終わらない。もし金利が1%下がったら、デュレーションの近似ではどちらの債券も10%値上がりする。このとき、コンベクシティの大きいほうの債券は小さいほうの債券よりも値上がり率が大きくなる。つまり、金利がどちらに動いても、コンベクシティの大きい債券のほうがリターンは大きい。金利が上がっても下がっても、デュレーションが同じならコンベクシティが大きいほうが金利変化の影響は投資家にとって良いものになる。金利の変化幅が大きければ大きいほど、デュレーションによる近似の誤差は大きく、つまりコンベクシティ要因でのリターンも大きくなる(注1)。

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