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円の独歩安、企業は注意を

  • 石川 宏

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2007年5月24日(木)

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 2007年3月期決算発表の席上で、おやっと思う発言が経営トップからあった。大手自動車部品メーカーのトップは、「合理化の推進も、ちょっと疲れてきた」と話し、デジタルテレビ向け部材メーカーのトップは、「製品価格の下落がひどく、これからは無理な増産投資はせず、採算重視に徹する」と説明したのである。両社とも日本を代表する国際的企業だ。そのトップからこれまで聞いたことのない発言が出てきた背景には何があるのか。

 本音ではないかもしれない。実際、部品メーカーは一方で経営の長期構想を打ち出しているし、部材メーカーも、生産性の向上を一層進める計画だ。しかし、両トップの発言は、2003年以降急速に回復してきた産業界が、今大きな節目に直面していることの表れとも言える。それでも、グローバリゼーションが一段と加速し、先進国と新興国入り乱れての企業間競争が激しさを強めている中では、それに打ち勝つために、企業がコストダウン・合理化、新技術・新商品開発等で国際競争力を一層強化する不断の努力が必要なことは変わらない。

採算レートより市況は円安だが

 その1つに、円高対応力の強化がある。もともと日本経済をリードする自動車、電機、精密機械、一般機械等の輸出産業は国際競争力が強い。内閣府の調査によれば、現在の輸出採算レートは全産業平均で1ドル106.6円、製造業は106.1円となっており、5月18日現在の市中相場の120.86円を遥かに下回っている。価格競争力だけではない、品質、性能等の競争力も強い。ここ数年、アジア、中東産油国、ロシア、そして欧米向け輸出が増えているのも非価格競争力が強力な武器となっている。

 それにしても円安効果は大きい。さすがに先行きの円高を警戒して、ほとんどの企業が2008年3月期業績見通しの前提レートを前期の1ドル117円から115円へ円高とし、ユーロは150円と横ばいにしている。しかし、超低金利、4月の7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議での事実上の円安追認、かんばしくない景気指標、日本はデフレ脱却が確固としていないというOECD(経済協力開発機構)の指摘などから、円安が止まらない。

 ドル相場は先に示したように5月18日現在1ドル120.86円、またユーロ相場は1ユーロ163円弱。かりに1ドル120円、1ユーロ160円前後で推移すれば、通期では前提レートに対してドルで5円、ユーロでは10円の円安となり、前期と同程度の為替差益が出る。少なくとも、2007年9月期はその可能性が強い。

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