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超過利回りはわずか年1.5%

“スーパースター都市”では住宅ブームは続く、への反論

  • ロバート・シラー

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2007年6月5日(火)

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 経済学者のジョセフ・ジョルコ氏とクリストファー・メイヤー氏、トッド・サイナイ氏が書いた最近話題の論文「スーパースター都市(Superstar Cities)」には、ロンドンやパリ、ニューヨークのような地位の高い都市に限らずフィラデルフィアやサンディエゴといった都市でも住宅ブームが永遠に続き、他の都市との差を限りなく広げていくと読み取れる。

 彼らの理論は、多くの人たちにとって自分たちの直感を裏づけるものと見ているようだ。その直感とは、米国では彼らの言うスーパースター都市以外の場所で住宅価格の減速が起こっているのだが、スーパースター都市の住宅を購入した投資家は収益を長期的に期待できるという考えだ。しかし、論文を注意深く読めば、スーパースター都市理論には根拠が全くないことが分かる。住宅ブーム懐疑論者として名が知られた私は最近、何度か論文の筆者たちとの討論会に参加するよう依頼されている。このことは、討論会の場で申し上げている。

前提は、土地に限りがあり、GDPは右肩上がり、所得格差は広がる

 いったいジョルコ、メイヤー、サイナイの諸氏は、どうしてスーパースター都市の住宅価格が永遠に上がり続けると言うのか。持論を正当化する理由は、これらの都市は、他の都市にないものを持つから。つまりユニーク。さらに土地には限りがあり、GDP(国内総生産)は右肩上がり、所得格差が広がると仮定すると、これらユニークな都市の地価を競り上げる富裕層はますます増えていくとする。

 実際に、富裕層は生活費の最も高い都市に暮らすようになっており、先進国の実質GDP成長率は年約3%で開発途上国のペースを大きく上回っている。言うまでもなく、これらの都市の土地を増やすことなどできない。

 これらの論拠は、はたして意味があるのだろうか。

 まず土地を増やすことはできないという固定性の問題について考えてみよう。確かに今のスーパースター都市には限られた土地しかない。しかし、どこの都市にも、郊外には新しい都市を建設できるくらいの広大な土地がある。新都市が誕生すれば、既存のスーパースター都市が持つ「独自性」の価値は落ちてしまう。

 こうした新都市の最も著名な例が、主として国家の地理的中心近くに計画的に建設された首都である。

 1790年代に建設されたワシントンDC、インドのニューデリーやオーストラリアのキャンベラ(1910年代)、ブラジルのブラジリア(1950年代)、パキスタンのイスラマバード(1960年代)、などがそれに当てはまる。

答えは「大したことはない」

 どの新首都もインフラにまとまりを持たせ、魅力的な場所にしようと考えられ、実際に政府機能と経済機能の中心地として成功していることは明らかだ。今は安い土地でも、将来そこに都市を建設する計画を立てる者が現れれば、土地の価値は跳ね上がる。

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