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東アジア共同体は、夢か

アジアの経済連携の近道は金融にあり

  • 宿輪 純一

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2007年6月11日(月)

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 安倍政権が進めている「アジア・ゲートウェイ構想」をご存じだろうか。アジア各国と日本の経済交流を妨げる障壁を取り払うことを狙った取り組みである。この数年、高成長を続けているアジア経済を取り込むため、アジアの経済連携で日本がイニシアティブを取ろうというわけだ。長期的に見れば、「東アジア共同体」という究極の目標に向けた動きの1つと言えるだろう。

 欧州経済の回復ぶりを見れば、地域経済の統合が日本経済に与えるプラスが大きいことは今や明らかだ。現在のEU(欧州連合)の好景気は、欧州という大きい経済圏を設立した構造改革の成果が出てきたと言える。だが、東アジアに大きな経済圏をつくるという目標に向けて、日本はアジアの中で存在感を出し切れていない。

日本が着手すべきは「金融」からのアプローチ

 なぜ、アジアで最も高い経済成長を遂げた日本が、アジアの経済連携で中心になれないのか。私は、その理由がFTA(自由貿易協定)を核とした「貿易」での取り組みを先行させている点にあると見ている。

 地域の経済連携では、前回のこのコラムで紹介したEUの前例が思い浮かぶ。欧州統合は、関税同盟という「貿易」の統合から始まり、共通通貨を作る「金融」、そして最終段階の「政治」の統合へと進んだ。この大きな成功例があるから、国際経済学における経済統合の理論でも、地域統合はこの順番で進めるべきと一般に解説されている。

 教科書通りならば、貿易から着手する日本政府の取り組みは極めて真っ当だと言えるだろう。だが、アジアに関しては、この教科書の理論は当てはまらない。経済連携で日本が中心になろうというのであれば、貿易よりも先に「金融」から手をつけるべきなのである。これが今回の“逆張り”だ。

 アジアと欧州は地域性が大きく異なる。欧州の統合が、貿易から入って、金融、政治と進んだのは、経済発展の度合いに違いはあったものの、ほぼ相似形の産業構造の国々が集まっていたことが大きい。農業国と工業国が入り交じったアジアでは、各国の思惑に違いがあり過ぎて同じようにはいかない。

 そこで登場するのが、金融からのアプローチだ。アジアの経済統合のヒントは、10年前に起きた「アジア通貨危機」に隠れている。それでは、金融での取り組みがアジアで経済統合の近道になる理由を、もう少し詳しく見ていこう。

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