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世界を覆う過剰流動性

高株価を演出も、インフレ懸念高まる

  • 本多 秀俊

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2007年6月13日(水)

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 金融市場でFRB(米連邦準備理事会)による金融政策の引き締め継続が大きな材料になっている。予想以上に長引く物価の高止まりと、それに伴う金融政策の引き締め継続は米国に限ったことではない。ユーロ圏や英国でも、予想以上の追加利上げを織り込む動きが加速しているし、つい数カ月前まで利下げが予想されていた南アフリカ共和国、ハンガリーなどでも、追加利上げや利下げの遅れなどが観察されている。

 物価高止まりの要因は色々考えられるが、中でも最も重要なのは、現在我々が暮らしているのが、史上かつてないほどの「過剰流動性の時代」であるという事実だろう。過剰流動性はどこからもたらされるのか、金融市場から我々の日常生活まで、その与える影響はどのような形で表れるのか、現代を読み解くカギとして、過剰流動性の実態について考えてみたい。

3つの供給源

 過剰流動性とは、端的に言ってしまえば「金余り」ということである。企業が通常の事業をしたり、個人が日常の消費をしたりするのに必要な金額以上の資金が世の中にあふれているということだ。

 その主な供給源としては、3つの要素が考えられる。1つは原油価格の高騰を背景とした原油売り上げ収入、もう1つは自国通貨高を抑制するために主にアジアの各国中央銀行などが自国通貨売り介入を重ねた結果積み上がった外貨準備、そして日本の家計の投資姿勢の積極化によって市場に流出した資金だ。

 下図はロシアと中国の外貨準備の推移である。ロシアは2004年以降、外貨準備の一部を「安定化基金」として別枠計上することにしている。この2カ国は、原油売り上げ収入と自国通貨売り介入で積み上がった外貨準備の最も端的な例として挙げた。

 それぞれ、近年、急速な拡大を続けてきた経緯を確認することができる。原油取引の決済のほとんどや、国際貿易の決済の大部分がドル建てで行われることから、これらの資金の大半はドルで構成され、米経常赤字をファイナンスするための重要な資金となる。

 米国の経常赤字は、単純に言えば、貿易やサービスなど経常取引に伴い、米国が(国全体として)受け取った資金よりも、米国が支払った資金の方が、その分だけ多額だということを表す。つまり、近年積みあがった巨額の米経常赤字は、米国が振り出した借用手形を、産油国や貿易黒字国が裏書して維持してきたことになる。その手形の往復から生まれた莫大な流動性が今、世界中に放出されているわけだ。このことは、世界で最も「あり余っている」通貨がドルである事実にも直結する。

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