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米国の長期金利上昇は続くのか?

  • 吉本 元

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2007年6月15日(金)

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 ここ1カ月ほどの間、米国の長期金利は上昇を続けてきた。10年債の利回りは、5月初旬の4.6%台から1カ月の間に0.5ポイントも上昇し、昨年7月以来の5.1%台に達している。このため、「株価に悪影響を与えるのではないか」という懸念も出てきている。

 果たして、今後も長期金利は上昇を続けるのだろうか。そして、株価は下落するのだろうか。

「悪い金利上昇」なのか、「良い金利上昇」なのか?

 まず、現在の金利上昇は、「良い金利上昇」なのか、それとも「悪い金利上昇」なのかがポイントとなる。

 「悪い金利上昇」ならば、長期金利の上昇が続き、そして株価が下落する展開になるだろう。そんな「悪い金利上昇」とは、景気拡大の期待よりもインフレ懸念が先行する時に発生するものを指す。そもそも、景気が拡大しているのなら、需給が逼迫して、物価の上昇は避けられない。したがって、金利も上昇する。

 ところが、財政赤字が抑えきれなかったり、金融引き締めが十分に行われない場合には、インフレ懸念が景気拡大期待を上回ってしまう。そうなると、物価上昇の危険を察知する形で、金利が上昇してしまう。景気拡大が大して見込めないということは、企業収益が大きく伸びないことを意味する。そんな状況で金利だけが上がっていけば、企業業績の先行きはさらに暗くなる。つまり、株価にとって下落圧力となるわけだ。

 さて、本題に戻ると、最近の米国の長期金利上昇は、果たしてインフレ期待が先行したものなのだろうか?

 この答えを探すうえで重要な指標が、米国債とインフレ連動債の利回り格差である。インフレ連動債が一方的に上昇していれば、インフレ期待が高まっていることになる。これを見ると、5月以降の格差は過去に比べて、あまり拡大していない。つまり、「悪い金利上昇」が起きているとは判断し難いわけだ。

 また、市場の声に耳を傾けても、「財政赤字が拡大するのではないか」とか、「金融引き締めが不十分だ」といった見方は聞こえない。特に金融政策については、「年内にも利下げ」という観測が、ここ1カ月ほどで後退した。「金融引き締めが不十分だ」という認識が高まるような状態ではない。

 むしろ、「良い金利上昇」の傾向が強い。株価が、2月末の世界的な調整の後、3月中旬以降には上昇基調に転じたが、5月以降は債券相場も、株式市場の後を追うようになってきた。住宅ローン会社の経営難が表面化した2月頃に比べて、信用力のない借り手を対象にしたサブプライムローン問題の懸念が和らいでいる。最近では経済指標が好転しており、景気の下振れリスクは高くないと市場は判断し始めている。

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牛島 信 弁護士