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好調な欧州株を支える「物言う株主」

  • 服部 哲郎

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2007年6月27日(水)

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 最近、日本ではいわゆる「アクティビスト・ファンド」など、ファンドによる株主提案や買収提案などが注目を集めている。一方、欧州では一足先に数年前からその活発な動きが目立っている。特に、アクティビスト・ファンドがその存在やパワーを世に知らしめたのは、ドイツの証券取引所運営会社、ドイツ取引所においてであった。

 2005年にロンドン証券取引所買収に乗り出したドイツ取引所は、ドイツ取引所の株式5%以上を保有する複数のファンドを代表していた英国のアクティビスト・ファンドであるザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド(TCI)の反対に直面した。反対の理由は買収価格が割高すぎることだ。他の株主もTCIに賛同した結果、ドイツ取引所は買収提案の撤回を余儀なくされた。それだけにはとどまらず、買収案を主導したCEO(最高経営責任者)は辞任に追い込まれたのであった。

 アクティビスト・ファンドなどの「物言う株主」の存在は、企業の経営者に緊張感を与え、株主の意向を配慮した経営をもたらす点で株式市場にとってプラスであると考えられる。その理由を細かく説明すると、こうなる。

エージェンシー問題

 企業の所有者は株主であり、経営者は株主の代理人(エージェンシー)として経営に携わっている。代理人である経営者は株主の利益を最優先することが求められる。しかし、経営者が本来の目的から逸脱するケースが見られる。金融の世界で言うところのいわゆる「エージェンシー問題」である。

 例えば、買収を仕掛けられた場合に、その買収提案が株主にとって有利であるかという視点から離れて、経営者が自己保身に走って買収提案に反対する、あるいは経営者が規模の拡大など自己の名誉心から株主価値を生み出さない割高な買収を実施する、などの問題が起こり得る。

 株主総会は、言うまでもなく企業の意思決定における最高意思決定機関であり、経営者の行動をチェックする場である。ところが、個人投資家はもちろん、機関投資家でもそのチェック機能を十分に果たせないことが多い。そのような環境下でアクティビスト・ファンドなどの物言う株主は、経営者の暴走を防ぐという観点で貴重な存在となっているわけだ。無論、アクティビスト・ファンドなどもまた市場参加者であり、市場のルールに基づいて行動することが要求されることは言うまでもない。

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