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米経済、成長の停滞から離脱へ

  • 鈴木 敏之

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2007年7月6日(金)

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 年初に描かれた米国の経済成長のシナリオは、飛行機が降下の後、着地することなく再上昇するゴーアラウンド(着陸復航)に例えられた。すなわち、経済成長は、住宅と一部の在庫調整により減速するが、労働需給の引き締まりを背景に消費が底堅く、それが経済を支える間に調整を乗りきり、マイナス成長に陥ることなく、持ち直そうとしている。年初のシナリオが現実になろうとしている。この動きの背景を見て、今後の米国経済の行方を展望したい。

停滞を克服の背景

 注目される要因は、消費が底堅かったことであるが、それは偶然、幸運によるものではなく、米国経済にビルトインされている強靭な成長構造によるものである。

 「減税効果が剥落すると消費が落ちる」「ガソリン代が上がると消費が落ちる」「住宅バブルが崩壊すると消費が落ちる」という話は現実になっていない。結局のところ、消費を支えるのは、雇用情勢である。労働需給の引き締まりが続き、人口の増加に応じた雇用の伸びが続きそうである。

 第1は、労働供給の担い手であった女性の労働参加率の上昇が止まっていることである。戦後の相当期間、女性の労働参加率が高まってきたが、近年はそれが止まっている。議論の余地のあるところであるが、賃金の上昇は見られるので、この要因は、経済的なものではなさそうで、賃金の上昇などがあっても、女性の労働参加率の再上昇が急に起きることは見込みにくいとされる。これは、労働需給の引き締まり状態は、解消され難いことを意味し、当座の経済成長の安定を楽観させるが、将来の米国の経済の潜在成長力を落とすのではないかという心配をつのらせる動きである。

 第2は、高学歴化である。高学歴者ほど雇用は安定している。最大の雇用対策は、教育であるというのは、アラン・グリーンスパン前FRB(米連邦準備理事会)議長が盛んに強調していた論点であるが、その高学歴化の流れが止まらない。これは、学歴に応じて賃金の格差があり、また、社会に出ていても学歴を高める機会へのアクセスが開かれていることが原動力となっている。また、高齢化のためと見られるが、高学歴者の労働参加率がやや下がってきており、高学歴者の人手不足も言われている。この要因もなかなか止まりそうにない。

サブプライム問題も現時点で沈静化

 こうした雇用情勢に、構造的な需給の引き締まりがある。さらに成長を安定させる金融システムを持っていることも、改めて確認させられた。信用力の低い借り手であるサブプライムの住宅ローン(モーゲージローン)の延滞が社会問題化したが、このマクロ経済への波及は、結局のところ限定的であった。

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