「石川 宏の「鳥瞰!日本の競争力」」

日本企業の財務基盤は強化された

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2007年7月12日(木)

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 金利が上昇基調にある。7月末の参院選後の再利上げ説が高まるにつれて、今年3月に1.5%台だった10年物長期国債の利回りが7月には1.9%台にまで上昇している。今後、景気拡大が確かなものになれば、金利上昇モードはさらに強まる可能性がある。

 となると、かつてはすぐ企業の支払利子の負担増による利益圧迫が懸念された。しかし、今は企業の財務内容が大きく改善され、対応力もついてきている。日本企業の収益基盤が強化されていることを指摘したい。

 近年の財務内容の改善ぶりには目を見張るばかりだ。

 財務省の法人企業統計調査によれば、全産業の有利子負債は、ピーク時の1995年度には641兆円に達していた。それがその後のバブル処理のための徹底的な合理化で2005年度には481兆円へ25%も大幅減少し、2006年度もその勢いは止まらない。

 総資産に占める有利子負債の割合も、1994年度の49%から2005年度には36%、2006年度は33%にまで低下、一方では自己資本比率が19%から34%に上昇、有利子負債比率と逆転した。製造業も同様で、有利子負債はピークである1994年度の139兆円から2005年度は106兆円へ24%ダウン、総資産に占める割合は36%から25%へ低下、32%から43%へ上昇した自己資本比率と対照的な動きを見せた。

■有利子負債と売上げに対する支払利息の比率

強くなった金利上昇への対応力

 この一連の変化と改善は2つの面で企業収益の向上に寄与している。

 第1は、支払利息の減少だ。全産業の支払利息は1991年度には38兆円もあった。1995年度には減少したとはいえ23兆円、売り上げに対する比率は1.57%に達していた。それが2005年度には11兆円、0.73%にまで低下したのである。製造業も、支払利息は1994年度の6.5兆円から2005年度は2.8兆円に、対売上高比率も1.62%から0.65%に大きくダウンしている。支払金利の減少は、大雑把に見て有利子負債の削減効果60%、利率の低下効果40%と推定される。

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著者プロフィール

石川 宏(いしかわ・ひろし)
石川証券投資研究所代表
(証券経済アナリスト)

石川 宏

1940年東京生まれ。63年早稲田大学商学部卒業後、日興証券(現日興コーディアル証券)入社、調査部勤務。日興リサーチセンター企画調査部長、同社ロンドン駐在員事務所長、日興証券情報部長、東京証券総合研究所常務、東海東京証券及び東海東京調査センター顧問・首席アナリストを経て、2003年に独立、現職。
(写真:川口 愛)



このコラムについて

石川 宏の「鳥瞰!日本の競争力」

日本の実力はいかばりか。証券アナリストとして豊富な経験を持つ筆者が地道に足で稼いだ情報と、長年蓄積してきたデータ分析の手法をもとに、日本の秘めた競争力、そして改善点はどこにあるのかを提示していく。

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