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2種類の円キャリー取引

日本の家計資産から見る円売り投資と投機

  • 本多 秀俊

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2007年7月11日(水)

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 ここ2年あまりの持続的な円安傾向で、外為市場の主役は日本における家計資産という共通認識が、市場に浸透してきた感がある。6月24日には、国際決済銀行(BIS)が年報の中で、日本の個人投資家が行う外貨投資が持つ円高リスクについて言及していた。また、7月2日には日本銀行の西村清彦審議委員が米ワシントンで行った講演で、日本の家計による外貨資産保有率の急上昇が、外国為替市場に与えてきた影響について述べている。

 しかし、日本の個人投資家の円売りにも、短期間に為替差益を上げることを主に狙った投機的売買と、より有利な利回りを生かした長期的運用を目的とする外貨建て投資の2つのタイプが存在することを忘れてはならない。両者の違いを明確に認識することは、外為証拠金取引などで短期的に限られた元手で多額の収益を上げた例を、証拠金取引業者のみならずマスコミまでもが盛んに喧伝するような風潮の下にあって、ひときわ重要と言える。

外貨建て運用の魅力

 下の表は、日本の個人投資家が保有資産を金融資産として運用する際に、選択肢として想定される典型的な手法の概略をまとめたものだ(手数料、税などの詳細は除く)。これを見れば、現在、外貨建て投資信託が個人投資家の間で爆発的に売れているわけが分かる。

 長くゼロ金利にあきた日本と違い、ニュージーランド、トルコ、南アフリカ共和国、ブラジルなど諸外国の政策金利は、2007年7月6日時点でそれぞれ8.00%、17.50%、9.50%、12.00%と高金利が並ぶ。国債のように、比較的リスクの低い商品を組み合わせても、この例のように6%を超える利回りに、個人投資家でも手が届くというのは極めて現実的な話だ。

 円定期預金の典型的な利回りが年0.5%として、利回りが年6.0%ということはその12倍。つまり、円定期預金なら1年がかりでやっと得られる利息を、毎月のように得られる計算になる。外貨建て投資信託の強みはそれだけではない。現在、爆発的な売れ行きを示す分配型投資信託は、定期的に配当金を分配するが、この配当金が、為替リスクに対する投資家の見方を根本的に変える。

 上記の例で言えば、円相場が不変であれば毎月5000円の配当金が想定されたところ、仮に相場が5%円高に振れたとしても、毎月5000円の配当金が4750円に目減りするだけのことである。勿論、元本の100万円も95万円相当に減額しているのだが、買い手の心理が「毎月のお小遣い」に向いていたとしても不思議ではないだろう。極端な話、外貨建てで6%の利回りを上げられるのならば、たとえ円高が5%進もうと、1年あれば、月々の配当収入で元本の目減り分(5万円)を補うことだってできるのだ。

レバレッジの効いた運用

 しかし、同じ外貨運用でも、外為証拠金取引の場合は随分と勝手が異なる。この例では、円相場が運用対象通貨に対して5%円高に振れた場合、いずれも100万円の投下元本に生じる損失は、外貨建て投資信託が5万円なのに対し、外為証拠金取引の場合は50万円にも上る。つまり、外為証拠金取引の場合、5%の円高で、投下元本の実に50%もの損失が発生することになるのだ。

 なぜそのようなことが起きるのか。

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