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米国は機関車なのか客車なのか?

  • 吉本 元

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2007年7月13日(金)

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 1997年7月のアジア通貨危機からちょうど10年が経過した。当時見られたエマージング諸国に対する否定的な評価は影を潜め、米国企業が上げる海外部門の収益好調との報道を受けて、米国経済が機関車役となって世界経済を牽引するのではなく、エマージング諸国を中心に世界経済が米国経済を牽引するという議論まで出てきた。

 果たして、そうなのだろうか? マクロ統計から検証してみた。

米国の内需が諸外国の経常黒字を生む姿は変わらず

 まず、マクロ統計上の米国企業の海外収益と外国企業の米国での収益から見てみると、米国企業の海外収益を示す「海外からの要素所得受け取り」の伸びが、2006年第2四半期にピークを示している。確かに、海外景気が米国の企業収益にポジティブな影響を与えたことがうかがえる。

 しかし、その後伸び率は減速している。一方で、外国企業の米国での収益を示す「海外への要素所得支払い」も、2004~2006年を通じて「海外からの要素所得受け取り」を上回る伸びを示している。必ずしも、海外景気が米国経済を一方的に牽引している訳ではなく、海外企業の米国内での収益を通じて米国経済も海外経済を牽引している。

 次に、米国のGDP(国内総生産)に占める輸出、輸入の比率(輸出依存度、輸入依存度)を確認すると、輸出依存度が過去5年間で高まっており、2007年第1四半期で11.6%まで高まっている。しかし、それ以上に輸入依存度が高まっており、2007年第1四半期には16.9%に達している。

 概念的に輸出と輸入の差し引きに当たる経常収支の赤字は、1970年以降で最大の水準にある。直近の景気減速下でやや縮小はしているものの、2007年第1四半期でGDP比-5.7%である。米国が相変わらず、世界の製品の購入者であることを示している証左となる。

 さらに、米国の経常収支赤字を他地域が埋め合わせする構造にも、変わりはない。従来、日本及びアジアの経済新興国が黒字国の中心で、米国の赤字を埋め合わせていたが、ここ5年ばかりの間に中国の黒字が増えている。さらに、最近の原油高を受けて中東諸国も黒字国となっている。これは、米国がこれらの国の外需を引き受けていることを示している。

世界の経常収益

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