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アクティビズムは死なず

誰が経営陣を規律できるというのか

2007年7月31日(火)

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 今月に入って、我が国の資本市場の発展に大きな影響を与え得る判決が2つ出た。1つは米投資ファンドのスティール・パートナーズがブルドックソースの買収防衛策発動の差し止めを求めた仮処分申請で下された東京高等裁判所の決定。もう1つが、いわゆる村上ファンド元代表の村上世彰氏のインサイダー取引疑惑に関する東京地方裁判所の判決である。

 前者ではスティール・パートナーズが「濫用的買収者」と認定され、買収防衛策の差し止め請求が棄却された。後者では認定された一連の事実がインサイダー取引の構成要件に該当するとし、村上氏は懲役2年の実刑判決を受けた。

 彼らは投資先企業の経営陣に積極的に、時には対決も辞さずに経営提案を行う、いわゆる「アクティビストファンド」を代表する存在だった。今回の判決によって、我が国の資本市場では同種のファンドが活動しにくくなると指摘する業界関係者は少なくない。

 これに対して、欧米では最近になってアクティビストファンドにとって大きな追い風が吹いている。

年金基金の高利回りを支えるアクティビストファンド

 今年6月、米国最大の機関投資家の1つであるカルパース(カリフォルニア州退職者年金基金)は、アクティビストファンドへの投資を現在の50億ドル(6000億円、1ドル=120円で換算、以下同じ)から120億ドル(1兆4400億円)に増やすと発表した。

 カルパースの総運用資産は2450億ドル(29兆4000億円)であるから、今回の増加策でアクティビストファンド向けの運用資産は、全体の2%強から約5%に拡大した。アクティビストファンドへの投資額は、5年前にはわずか10億ドルであったというから、カルパースがここ数年の間に、急激に資産シフトを実施している様子が分かる。

 カルパースは1980年代半ば頃から、株主利益にならない議案に反対票を投じる「モノ言う株主」としての活動を実践しており、いわば元祖アクティビストとも言うべき存在だ。今回、このようなアクティビストファンドへの投資を拡大した背景には、退職者向けの年金・医療コストが膨れ上がっており、財源を確保するために高い利回りが必要となっていることがある。

 昨年1年の間、カルパースはコモディティ(商品)、米国株式のショート(空売り)、中国やインドなど新興国の株式、そしてプライベートエクイティへの投資を認める、年金基金にしては極めて柔軟な運用方針を採択した(参考記事)。

 カルパースだけではない。いまや、アクティビストブームとも言うべき現象が起きている。経済誌フォーチュンは5月30日付で、「The hottest investor in America(アメリカで最もホットな投資家)」というタイトルで、大物投資家カール・アイカーン氏の大々的な特集を組んだ。「株主価値を500億ドル増やした」と称賛の声とともに、同氏の素顔を知るエピソードが多く描かれているほか、投資会社で働くスタッフやご夫人の写真が、何枚も掲載されている(なおアイカーン氏については当コラム「アクティビストは健在なり」を参照)。

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「アクティビズムは死なず」の著者

岩瀬 大輔

岩瀬 大輔(いわせ・だいすけ)

ライフネット生命保険社長兼COO

1976年埼玉県生まれ。98年に東京大学法学部を卒業後、ボストン・コンサルティング・グループなどを経て、2006年、副社長としてライフネット生命保険を立ち上げる。2013年6月より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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大量陳列、大量販売というのがある程度限界にきているのかなと思います。

松﨑 曉 良品計画社長