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円高基調を乗り切る輸出企業とは

  • 石川 宏

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2007年8月23日(木)

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 米国のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅ローン)の焦げ付き急増に端を発して、世界の株式・債券・為替市場が混乱している。円相場はわずか1カ月の間に1ドル122円から111円台へ、1ユーロ165円から153円台に急騰した。

 急激な円高で輸出産業そして景気への影響懸念が一気に表面化してきた。今後も現在の円高が定着するのかどうか見極める必要があるが、多くの輸出企業は強い輸出競争力を持っていると言える。今期の輸出企業の想定レートは1ドル115円、1ユーロ150円であり、最近の円高でのりしろは小さくなっているが、今回の金融不安で世界経済が大幅に減速するようなことにならない限り、企業努力でかなりカバーしていくだろう。

新興市場への輸出拡大が続く

 2003年以降、輸出は日本経済立ち直りの牽引役を果たしてきた。実質GDP(国内総生産)に占める輸出の割合は、2003年1~3月期の10.4%から2007年4~6月期には15.3%にまで上昇している。

実質GDPと輸出の伸び率(季節調整済み前期比年率)

 しかも、その間輸出構造が変化している。アジア、中東、オセアニア、中欧・ロシア向けが著しく増え、最近は欧州向けの伸びも目立つ。一方、北米向けは鈍化している。2002年から2006年までの期間に世界全体への輸出は1.4倍となったが、アジア向け1.6倍に対して北米向けは1.2倍にとどまった。

 同期間の輸出増加寄与率も、中国の25%を含むアジアが53%と圧倒的だ。中国と香港、中東、オセアニア、中欧・ロシアと新興国、資源地域・国合計では42%に達し、北米の10%、欧州の12%を遥かに上回っている。

 新興国や資源地域・国の最近の経済基盤はかなり力がついてきた。BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)のGDP規模は2005年には世界の10%を占め、日本と同規模に達している。経済成長率が高く、今年も中国11%強、インド8%強、ロシア6%強、ブラジルも4%強と高成長が見込まれている。

 経常収支もインドを除きBRICs各国は黒字額が増え続け、外貨準備は各国とも急増している。同地域の成長は、日本の輸出拡大に貢献するだろう。需要旺盛な原動機や建設機械などの資本財や、自動車そして電機機械などで日本製品は品質、機能、性能など価格以外の競争力でも優れるのが強みだ。

増益見通しに変化なし

 円高が企業業績に及ぼす影響も、一般に騒がれているほど大きくはない。今年4~6月期の期中平均レートは1ドル121円、1ユーロ163円と、今期の想定レート比でおのおの6円、13円も大幅な円安となった。当然、輸出企業は円安効果で潤った。

 トヨタ自動車7203の営業利益が6754億円と前年同期比で1630億円増えたが、そのうち円安効果が1000億円に達したのは典型的ケースだ。それだけに、円急騰後の今後は為替差益が見込み薄となり、業績への影響懸念を引き起こしているわけだ。

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