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FRB、緊急利下げの効果は

注視すべき翌日物金利
インフレ懸念が残る中での舵取り

  • ハンカー・オジヤサール

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2007年8月21日(火)

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 サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題が引き起こした金融不安に対処するため、、FRB(米連邦準備理事会)はこれまでの資金供給に加えて、8月17日には公定歩合の引き下げを実施した。しかし、金融機関の資金の融通に直接、影響を与える翌日物金利はこれまでと水準が変わらないままだ。

 公定歩合は銀行や金融機関にしょっちゅう使われるものではないので、公定歩合の引き下げ自体が直接的に影響を及ぼすものではない。今回の利下げの意義は、「状況が好転しなければ、FRBが翌日物金利を引き下げる」ことを資本市場に示す「シグナル」を発したことだ。

 この利下げが今後のマーケットに与える影響は、現段階では不透明だ。FRBがさらに積極的に動いて資金供給が劇的に増えた場合は、株式市場はさらに上向くかもしれない。しかしながら、それは深刻なインフレという長期的な大きな問題を引き起こす恐れがある。

 反面、インフレを引き起こさない程度の小さな金利引き下げをしても、株価は力強い上昇を続けられないかもしれない。ということは、この先5カ月間、株式市場では低収益が続きそうだと言える。現在、米国の株式市場は、ボラティリティー上昇と下降圧力にさらされた。現在、最大の関心事は株価が通年でプラスになるかという点だが、これは難しいだろう。

劇的だったが異常事態にまでは至っていない

 サブプライム問題による金融不安の連鎖は劇的ではあったが、異常事態までには至っていない。クレジット(信用)サイクルの終わりには必ず、多数の金融機関や消費者が支払い能力以上の借り入れをして、その結果起こる崩壊が金融市場のほとんどすべての部門の足を引っ張る。今回も同様で、投機株だけでなく、社債や国債市場の多くに影響が及んでいる。

 サブプライム問題で株価の急落が起きたのは最近のことだが、過剰な借り入れはかなりの期間にわたって進んできた。周知のように、米国の翌日物金利は長期間1%という非常に低い状態が続いていた。これが、多くの企業や消費者の過剰借り入れを助長した。フェデラルファンド(FF)金利も3年間(2001~2004年)2%以下が続き、市場は過熱状態となった。

 住宅ローン市場を例に取ると、1999年に6兆ドルだった総残高が、2007年には13兆ドル近くに増加している。さらに悪いことに、増加の大部分が、投機的な住宅購入か住宅を担保としたクレジットカードその他の消費債務かのどちらかによる。

 特に、自宅をいわばクレジットカードとして使う後者の手法は、住宅ローン残高の急増だけでなく、消費者の裁量支出に支えられて多くの分野における過剰生産力につながった。特に、高級品や自動車の販売が空前の水準にまで上昇している。

 同様に、高リスクのジャンク債のスプレッド(利回り格差)が、2003年の約10%から今年半ばには2.5%まで下がった。新発債の平均格付けは低下したのにもかかわらず、スプレッドは75%下がった。同じような借り入れの横行が、猛烈な企業買収活動や自社株買いにもつながった。

株価急落に、きっかけは必要ない

 これほど収拾のつかない事態となり、多くの専門家は、市場に崩壊のきっかけを探している。しかし、現時点では、満足できる説は提示されておらず、何も見つからないだろう。

 1987年の株価大暴落の正確な原因を、誰も突き止められていないのと同じだ。以前に起こった急激な株価調整局面のように、巨大バブルが発生し、遅かれ早かれ何かが起こることは間違いなかった。

 以前の危機とは共通点が多い一方で、違う点もたくさんある。

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