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中国政府が行った突然の通達の裏

膨れる本土の株投資に危機感?

  • 豊島 信彦

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2007年8月28日(火)

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 8月20日、中国政府が耳を疑うような通達を発表した。国家外国為替管理局が北京に隣接する経済都市・天津の浜海新区で、個人による香港市場への直接の投資を試験的に解禁すると発表したのだ。

 なぜ、サプライズかというと、これまで中国の個人投資家は、QDII(適格機関投資家)制度という、特定の銀行、証券会社などを通してファンドを買う形でのみ海外投資が認められ、しかもその枠は年間5万ドルの外貨購入限度の範囲だったのだが、それらが地域限定ながら一気に自由化されるからだ。つまり、今までの海外投資規制や為替規制が取っ払われることになる。

 現時点ではいつから実施されるのか、などその詳細は明らかではない。確かなのは、中国の個人投資家は中国銀行の天津浜海新区支店に行き、外国投資専用口座(個人境外証券投資外匯帳戸)を開設し、同行の証券子会社(中銀国際証券)で証券口座を開くことで、外貨さえ調達できれば、香港株への直接の投資が無制限に可能になることだ。

 外貨購入枠には制限がなく、持ち込んだ人民元はすべて外貨(香港ドル)に換えることができ、かつ投資で得られた収益は外貨のままで保有できる、という中国人にとってはまさに夢のような話なのである。これで、わざわざ香港まで元を持ち出して旅行のついでに証券会社の窓口で投資するという手間もなくなるわけだ。最近では香港の地場証券では新規口座開設の半分が中国本土からの旅行者という例もある。

 そしてロイター通信によると、天津の実験がうまくいけば上海など大都市でも可能になるとの政府高官のコメントが寄せられている。

香港市場は大歓迎

 香港側はこの降ってわいたような個人投資自由化に大喜びだ。香港証券取引所は早速、この通達があった翌日の21日、7800万香港ドルを投じて、現在の1日当たり150万件の最大処理能力を400万件に増やす計画を明らかにした。ちょうど、香港の株式市場は前週までは世界的な信用収縮問題のあおりで大きく下げていたのが、FRB(米連邦準備理事会)による公定歩合引き下げとのタイミングとも合って、株価は急反発を見せている。

 中国マネーの投資対象になると見られるH株(香港上場の中国本土企業株)はとりわけ強い。H株指数は直近高値の1万3480ポイント(7月24日)から安値の1万1002ポイント(8月17日)まで2478ポイント、率にして18%下げたが、20~23日の3日間で1705ポイント、率にして15%上昇し、下げの7割を戻した。

 なぜ、香港市場のH株が買われるか、というのは言うまでもなく、同じ企業なのに本土市場と香港市場の株価差があまりに大きいからだ。それは2007年7月24日付の当欄「一物二価の中国株の不思議」でも指摘してきた。

 中国トップクラスの電力会社であるダータン国際などは、北京を拠点とする知名度の高い会社ということもあり本土では人気で、A株の株価は8月20日に24.37元と過去最高値を付けている。この企業の株式で香港に上場しているH株の方は、20日の段階で5.45香港ドル(5.30元)に過ぎない。つまりA株の4分の1以下だ。

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