• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

ポスト・サブプライムの懸念

新たなリスクは商業用不動産の変調

  • 矢野 和彦

バックナンバー

2007年8月31日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 FRB(米連邦準備理事会)による流動性供給や公定歩合引き下げなど一連の対応を受けて、金融市場に生じた極度の動揺は足元でやや収まりつつあるようだ。

 こうした中、市場や米国のメディアの間では、新たな懸念材料を指摘する声が出始めている。信用収縮のあおりを受けて、商業用不動産市場に変調が生じるリスクが高まりつつあるのではないか、との懸念である。

2005年後半の居住用不動産の減速後も、過熱は強まる

 米国では、近年の住宅ブームの影に隠れて注目度は低かったものの、事業向けの商業用不動産市場も長らく活況を呈してきた。例えば2001年頃には、ハイテクバブル崩壊後の景気後退を受けたオフィスビルの空室率の急上昇といったファンダメンタルズ(経済の基本的条件)の悪化が生じたが、それでも優良テナントを抱えるオフィスビルなどを中心に極めて活発な売買が行われ、物件価格も上昇を続けてきた。

 当時は株式市場からシフトした資金や、ドイツにおける海外不動産投資規制の緩和などを背景とする欧州からの資金が米国の商業用不動産市場に大量に流れ込んでいると指摘された。その後、居住用住宅市場では周知の通り2005年後半頃から急減速が始まったわけだが、商業用不動産市場は逆にその頃から急激に過熱度合いを強めてきた。

 2005年以降、オフィスビルや宿泊施設、複合商業施設(ショッピングモール)など非居住用の建設物に対する民間支出は急増の一途をたどってきた。また、MIT(マサチューセッツ工科大学)不動産センターが公表する商業用不動産の売買価格指数も、2005年半ば頃から急上昇を始め、まるで近年の住宅ブームの再現を見るかのような過熱感をうかがわせてきた(図参照)。

米国の商業用不動産売買価格指数の推移

 住宅市場の調整深刻化の中でも米国の建設業界や不動産業界が押し並べて窮地に立たされているわけでは必ずしもないことや、建設業雇用の下ブレが予想されたほど顕在化していないことなどの理由の1つは、恐らくこうした商業用不動産市場の過熱にあるのではないかと思われる。

米有力紙が、商業用不動産の変化の様子を相次ぎ報道

 しかしながら、ここにきて、足元の信用市場の萎縮が商業用不動産市場の調整につながるリスクを、ニューヨーク・タイムズ紙やワシントン・ポスト紙をはじめとする当地の有力紙が相次いで指摘し始めた。

 例えばニューヨーク・タイムズ紙は、ニューヨークの有力不動産ディベロッパーであるマックロウ・プロパティーズの例を引き合いに出している。同社は今年2月、総額70億ドル(約8000億円)でニューヨークのマンハッタンに建つ7つのオフィスビルを取得した。ニューヨーク・タイムズ紙によれば、同社が物件購入資金として金融機関やヘッジファンドから調達した負債34億ドルの大部分は、来年2月に返済期限が到来する短期のつなぎ融資(ブリッジローン)などであるという。

 信用市場におけるリスク回避姿勢の強まりが今後長引いた場合、借り換えが困難になる可能性もあり、同社が担保として差し入れている他の優良不動産も手放さざるを得なくなるリスクがあるとニューヨーク・タイムズ紙は指摘している。

コメント1

「Money Globe- from NY(安井 明彦)」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

意外なことに、伝統的な観光地が 訪日客の誘致に失敗するケースも 少なからず存在する。

高坂 晶子 日本総合研究所調査部主任研究員