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バランスにこだわるバーナンキ流金融緩和

底流は「モラルハザードなき」「インフレなき」

  • 鈴木 敏之

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2007年9月10日(月)

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 米国のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題に端を発した金融不安によって、8月に公定歩合を引き下げたFRB(米連邦準備理事会)の次の一手が注目されている。一層の緩和の動きに出ると見られているが、モラルハザードなき金融システム安定、インフレなき持続的な成長と雇用の安定という複数の課題に対処しなくてはならない中で、バランスを取ったものになりそうである。

 今回の金融市場の動揺が起きるまでの世界の主要国の金融政策を振り返ると、デフレの懸念に金融緩和で対処し、その後の引き締めで、経済の過熱の不安を抑え込んできた。

 2003年に、米国では、歓迎できない継続的インフレ率の低下と言われたデフレの不安があり、米国も他の主要国が積極的な金融緩和を行った。そして、そのデフレの不安が小さくなったことを確認し、2004年春から、米国ではその緩和の解除が行われ、2005年の末あたりから政策金利は引き締めのレベルに到達していた。

 原油価格の上昇が続き、1次産品の供給能力のボトルネックが話題になり、米国の失業率は完全雇用に近いと言われた状態。これだけの世界的過熱ぶりを見れば、「世界」中央銀行が引き締めを行ってきたのは当然であった。

サブプライム問題もマクロ政策

米鉱工業生産とスワップスプレッドの推移

 こうした引き締めの効果が表れている。図は、金融の引き締まりを示すスワップ金利と、連邦債券利回りのスプレッドであるが、このスプレッドで見ると、引き締まりが経済活動を減速させていることが見える。まず、住宅で調整の動きが見えた。企業の設備投資も、非建設の投資では勢いが失われてきている。最近では自動車販売の不調も見えている。

 世界的な金融引き締めによって、資産評価のディスカウントファクターであるリスク評価が変わり始めた。リスクプレミアムが大きくなり、資産価格の下落が起き始めたことで、信用力をもとに金融市場で資金を安く調達して高めの利回りを期待できる資産に投資した中には割りの合わないものが出てくる。サブプライムのABS(資産担保証券)は、その一部に過ぎなかったことになる。

 サブプライム問題は、長期的に見ればマクロ経済を安定させるプロセスの中で生じた現象だ。

 それでは金融緩和なのか?

4つの課題

 短期金融市場では、なお混乱が見られるが、8月のダウ工業平均株価の月足は1万33574.4ドルと7月の1万3211.99ドルを上回っている。これは、業績の不調には果敢なリストラで対処する米企業と、問題が起きれば迅速に断固たる対応を取る米国の経済政策がもたらす帰結と見られるならば、住宅バブルの崩壊で今後、大きな調整がある、という見込みは持ち難い。

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