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米国の利下げは長びくのか?

  • 吉本 元

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2007年9月21日(金)

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 9月18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、米連邦準備制度(FRB)は、FFレート誘導目標水準を0.50%引き下げ、4.75%とした。市場コンセンサスは0.25%の利下げと見られていたため、当日は株価が急騰し、ポジティブ・サプライズとなった。

雇用統計がFRBの背を押した

 8月以降のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題に端を発する金融市場の混乱の中で、これまでインフレ・リスクを理由に利下げの可能性を打ち消していた、FRBの政策転換が注目された。FRBは手始めに8月9日以降、買いオペを通じて金融市場の資金供給を増やし、8月17日には公定歩合を6.25%から5.75%に引き下げて、金融機関の資金調達難のリスクに備える対応を開始した。

 8月17日は、同時に電話を通じたFOMCの臨時会合も行ったが、政策金利であるFFレート誘導目標水準の引き下げは見送られ、声明を出すにとどまった。このため、市場では利下げ期待が先行して、FRBの政策対応が後手に回る形になった。8月31日のバーナンキFRB議長の講演でうかがえるように、金融市場の混乱が実体経済に与える影響が不透明だったために、FRBは定例会合以外での緊急利下げに躊躇していた。

 加えて、その判断材料として講演で挙げていた、9月5日発表の「最新の地区連銀経済報告(ベージュブック)」の報告は、8月以降の景気減速を示唆しておらず、金 融市場混乱の影響は住宅市場にとどまり、それ以外は限定的という内容だった。また、金融市場の混乱発生後の指標である8月分のISM(米サプライ管理協会)製造業・ 非製造業指数に関しては、景気判断の分岐点となる50を割り込んでおらず、業況の悪化は示唆していなかった。ところが、これらの判断材料の結果が出る中でも、市場 の利下げ観測は後退せず、FRBが自らの判断基準に従って利下げを見送った場合、市場の混乱をむしろ助長するリスクが高まっていた。

 その中で、9月7日発表の8月分の雇用統計は非農業部門雇用者数が前月差で4000人減と、2003年8月以来の減少を示した。さらに、6~7月分合わせて8万1000人分の大幅下方修正も発表された。

非農業部門雇用者数の増加ペース(部門別内訳)

 結果的に、景気が潜在成長率並みのペースで拡大し、失業率が横這いで推移する時に見合う、月間15万人程度の増加ペースを、ここ3カ月は、大幅に下回っていたことが判明した。FRBは利下げを行う材料を手に入れ、経済への影響を見て判断するとした自縄自縛的な判断基準と市場の期待というジレンマから脱することができた。

 その意味で、今回の0.50%の利下げ幅は、政策金利引き下げに関する対応の遅れを、一挙に取り戻すことを意図していたと考えられる。

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