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ファンド旋風を振り返って

2007年10月9日(火)

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 本連載もちょうど1年を迎えた。このコラムは、外部からは実態が見えにくい投資ファンドの素顔を、欧米におけるトピックを切り口に明らかにすることを目的としてきた。

 最終回である今回は、これまでのおさらいも兼ねて、近年における投資ファンドの大きな動向を振り返り、今後の我が国における投資ファンドの活動に関する示唆を考える題材としてみたい。

肥大化した投資ファンド

 投資ファンドが運用する資産規模と、彼らの資本市場での影響力は、ここ数年間で急速に高まった。

 ある欧州系ファンドのトップが、「近い将来、世界中のあらゆる企業が投資ファンドの買収対象となるだろう」と宣言したのが、2006年のダボス会議だ。それが、少しずつ現実となりつつある。ファンドによる買収案件の規模の記録が次々と塗り替えられて、2兆円を超える買収案件はこの1年でも9件あった。

 10月中に株主の承認が予定されているカナダ通信大手ベル・カナダの買収は、総額350億ドル(約4兆円)。これは東京電力やJR東日本の株式時価総額を上回り、東京証券取引所では上位20社に食い込む規模だ。もはや、数千億円規模の買収案件が決して珍しくなくなり、ファンドが買えない会社は、ほとんどなくなった。

 米国のM&A(企業の合併・買収)の中で投資ファンドが占める割合は、ピークの今年前半には35%まで上昇した。旺盛な買い手としてのファンドの存在は、事業会社にグループ企業再編成の戦略的自由を与え、堅調なM&A市場と株式市場を下支えした。潤沢なクレジット市場による資金供与と相まって、彼らの投資資金回収のスピードも上がっていった。

 買収に際して企業に巨額の借入金を背負わせ、直後に配当の形で新たな株主にはき出す。非上場化して1年足らずの会社が、再び株式市場へ戻ってくる。従来、中長期の投資家であることをうたっていた彼らが、いつのまにか短期の投資資金回収を実現するようになっていた。

 また、少数株主であるにもかかわらず、大企業の経営に発言力を持つ投資ファンドの存在感も高まった。象徴的だったのは、今年上旬の英ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド(TCI)によるオランダのABNアムロへの揺さぶり。1%超の株式しか保有しないにもかかわらず、TCIによる活動の結果、ABNアムロは同業他社との合併に追い込まれた。

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「ファンド旋風を振り返って」の著者

岩瀬 大輔

岩瀬 大輔(いわせ・だいすけ)

ライフネット生命保険社長兼COO

1976年埼玉県生まれ。98年に東京大学法学部を卒業後、ボストン・コンサルティング・グループなどを経て、2006年、副社長としてライフネット生命保険を立ち上げる。2013年6月より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師