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ロシア:“理性超えた”復興の裏に税制

  • スティーブ・モリヤマ

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2007年10月18日(木)

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 「ロシアは理性では理解できない。ただの物差しでは測り知れない独特の奥深さがある。ただできるのは、ロシアを信じてみること」 

 19世紀の詩人、チュッチェフはロシアをこう評した。当時、チュッチェフは、現在のロシアの姿を夢想だにしなかっただろう。だが、ここ最近のロシア経済の隆盛ぶりを見ると、この言葉はまさしく正鵠を射ている。

 10年前、対外債務の不履行で世界を混乱に陥れたロシアの経済危機は、まるで幻だったかのような変貌ぶりを遂げている。危機後の状況をつぶさに見ないと、この変化を“理性”のみで理解するのはまさしく難しい。

ロシアの主要経済指標

 1998年、財政危機に陥りどん底を経験したが、その後、ルーブル切り下げによる国内産業の復調と原油価格の高騰を主な原動力として、8年連続でプラス成長を続けている。2007年上半期の実質GDP(国内総生産)成長率は7.8%を記録し、ロシア中央銀行は今年9月に2007年のGDP成長率予想値を6.5%から7.5%に上方修正した。

 金・外貨準備高を見ても、1998年当時はわずか80億ドルだったのが、今年8月末の時点で4160億ドル(50兆円弱)を超えている。実に50倍以上である。しかも、2007年の1月には3000億ドル程度だったのが、半年超で1000億ドル以上も増えている。また、ソ連時代に抱えた対外債務についても既に昨年に解消しており、ロシアは債務国から債権国に転じたのだ。

 目を見張るような経済力復活の影では、「原油高依存の経済体制は危険だ」とする国外の論者の指摘も根強いが、それは当事者のロシア政府が誰よりも強い危機感を持って取り組んできた課題にほかならない。2004年に、原油相場に左右されにくい財政基盤を確立するために設置した安定化基金の残高は増加の一途をたどり、今年度末までには1500億ドルを超えるのではないかと予想されるほどの勢いである。

 このように“理性”だけでは理解しにくい劇的な変貌を遂げた背景には、税制改革の存在がある。2001年、ロシアのプーチン大統領は一律13%の個人所得税率(フラットタックス)を導入した。それ以前は、12%、20%、30%の累進課税制度で、最高税率30%がわずか5000ドル超から適用になる税制だった。

コメント9件コメント/レビュー

徴税コストの削減は意義深い(このコストを今は実質的に企業が負担している)。が、税務業界が大反対し、増税と不公平を煽って世論を誘導するだろう。実現が困難な大きな理由は高度に専門職化した税務業界従業者の死活にかかわる問題だからだと思う。(2007/10/22)

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いただいたコメント

徴税コストの削減は意義深い(このコストを今は実質的に企業が負担している)。が、税務業界が大反対し、増税と不公平を煽って世論を誘導するだろう。実現が困難な大きな理由は高度に専門職化した税務業界従業者の死活にかかわる問題だからだと思う。(2007/10/22)

フラットタックスもなかなか有望な制度ですね。日本にそのまま導入すべきかどうかは別として、参考にできる部分は多いように思いました。ただ、頑張って税制の勉強をして国家試験を突破して優越的立場を得た公設私設の税理士の皆さんからは、激しい反発は免れ得ないでしょうね。(2007/10/21)

かつて小泉元首相も「税理士がいらなくなるくらい簡素化された税制が望ましい」と発言したのですが、自民党の税制族の柳沢氏の強硬な反対で潰されましたように、日本ではなかなか難しいでしょう。小泉氏ほど国民的な人気があり政治的実行力があった人でさえも、さまざまな国民間の利害による政治勢力の反対により実現できなかったことは山ほどあるのが日本の実情です。今後、小泉氏を上回る政治的実行力がある政権が生まれる可能性がどう考えてもあり得ない以上、フラットタックスはまず不可能ですね。(2007/10/21)

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