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ギリシヤ:「GDPの3割は地下経済」と移民

  • スティーブ・モリヤマ

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2007年10月25日(木)

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 ギリシヤというと、海運業を連想する人もいるだろう。ジョン・F・ケネディ第35代米国大統領のジャクリーン夫人が再婚相手にギリシヤの海運王アリストテレス・オナシス氏を選んだことから、ギリシヤ=海運とのイメージを持つ人も多いはずだ。実際、ギリシヤの海運業は、世界シェアで2割近くを占める海運大国だ。

 一方、日本では意外と知られていないのが、ギリシヤは南東欧地域の雄という立場にあることだ。地中海、エーゲ海に囲まれ、また欧州のへそに位置するバルカン半島に属する。欧州、アフリカ、中近東、アジアとの交易拠点にあり、EU(欧州連合)の拡大に伴い、その地理的な優位性が強い経済の醸成にプラスに働いた。

 そうした特性を生かしてギリシヤ企業の多くは、運輸、エネルギー、金融機関、通信の4分野に焦点を絞り、バルカン半島の投資チャンスを確実にモノにしていった。キプロス、ルクセンブルク、リヒテンシュタイン、スイスなど税制上有利な国に設立した子会社を通して、マケドニア、アルバニア、ブルガリア、セルビア、クロアチアなど南東欧諸国の会社を積極的に買収してきたのである。そうした戦略的先行投資の成果が、最近、じわじわと出てきているという。

 交易の中継地として優れた場所にあるということは、様々な情報、カネが集まる。そこには様々な欲望がひしめく。実はギリシヤには、もう1つの顔がある。闇経済の総本山としての顔だ。

偽物が街に溢れる背景

 国際労働機関(ILO)の推定によると、ギリシヤのGDP(国内総生産)に占める地下経済の割合は3割以上に上り、これはEU加盟国中最も高い割合である。欧州で売られる模造品の多くはギリシヤの港を通過していくのだ。

 実際、アテネの街を歩いてみると、至る所に海賊版CDや偽ブランド品(革製品)を扱う黒人の行商を見かける。風呂敷のようなものを持っており、警官を見かけるとさっと商品をたたんで、跡形もなく雑踏の中に消えてしまう。実に身軽である。ちょうど、飛行機で隣に座ったギリシヤ人宝石商に彼らのことを聞いてみたところ、次のように説明してくれた。

 「中国の会社が家賃を払ってくれるので、ギリシヤに来て店を構える中国人がもの凄い勢いで増えている。彼らから偽物を買って街で売っているのが、アフリカなどから来た黒人たちだ。ただ、彼らはまだ働いているだけましだ。偽物を盗んで売る輩までいるんだ」

 偽物ビジネスが盛んな裏には、恐らく、中国とギリシヤの黒社会が背後にいるのだろう。ちなみに、毎年1000万枚以上の海賊版CDがこの国では、さばかれるという。当然、法律上は売った方も、買った方も処罰の対象となる。

 交易の中心地というとギリシヤには多くの外国人が昔から根づいているように考えてしまうが、人口に占める外国人比率がかなり少なく、ある意味で日本のような単一民族国家だった。それが、1990年代初頭の東欧ロシアの共産主義の崩壊直後から、突如として変わった。欧州に向かう移民や難民のゲートウェーとして、移民受け入れ国への転換を余儀なくされたのである。

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