「豊島 信彦の早耳・聞耳 亜細亜マーケット」

第2ステージに入った中国の資本市場政策

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2007年10月23日(火)

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 10月15日、5年に1度開催される中国共産党全国代表大会(北京)の初日、開幕にあたって胡錦濤総書記(国家主席)が行った活動報告は、金融関係者にとって感慨深いものだった。党の機関紙である人民日報(日本語版)では、報告原文が次のように邦訳されている。

 「金融体制改革を推進し、様々な金融市場を発展させ、多彩な所有形態や経営形式を形成し、合理的な構造を持ち、機能が整い、高効率で安全な現代的な金融システムを整える」

 これを書いた人民日報(オンライン)の日本支社長は東京大学を卒業した知日派で、正確に翻訳したと思われるが、少々、分かりづらい。要は、金融市場の発展方法に踏み込んだ話であり、これまでの市場創成期から次の展開期に移ったとの認識だそうだ。

 さて、次の展開とは何であろうか? 分かるのは、巨大な中国マネーが外に向かって動きだした、ということだ。

池の中の鯨が動きだした

 10月15日、中国と米国の投資信託会社・上海投資信託JPモルガンが4日間の期限で売り出した「QDIIファンド」は、40億ドル(311億元)の募集に対し、申し込みは1000億元を超えて即日完売した。1000億元というと約1兆5500億円である。実はこの種のファンドはこれでこの2カ月間に4本目であり、いずれも40億ドルの枠が売り出し初日に瞬間蒸発してしまった。

 QDIIファンドとは「適格国内機関投資家ファンド」であり、許可を受けた機関投資家が一般個人に売り出して、その資金を海外で運用するオープンエンド型投資信託である。人気の秘密は海外に投資することだ。

 驚くのは集まる金額である。その前にこのファンドは1口1万元(約15.5万円)もすることを言っておかねばならない。都市部のサラリーマンの月給が2000〜3000元(3万1000〜4万6500円)のこの国で、だ。もっと言えば、コンビニ弁当がわずか10元(155円)の土地で、である。チャイナマネーをあなどってはならない。

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著者プロフィール

豊島 信彦(とよしま・のぶひこ)

豊島 信彦 (株)BRICsプラス11経済研究所 所長
クレディスイス、モルガン・スタンレーなど欧米の銀行、証券会社で証券アナリストとして長年活躍。2008年12月より現職。10年以上の経験を誇る中国株分析のほか、BRICsなど新興国の株式分析で定評。著書に『やさしいタイ株』(インデックス・コミュニケーションズ)など。豊島氏は2009年4月23日に永眠致しました。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。



このコラムについて

豊島 信彦の早耳・聞耳 亜細亜マーケット

成長著しいアジアには、世界中のカネが集まりつつある。金融投資の対象として魅力を帯びてきたこの地域に潜むチャンスとリスクは――。証券アナリストとして長年、アジアをウォッチしてきた筆者が、独自の情報網と視点で紹介していく。

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