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事業は人なり、で高みを目指す

金融のプロはシンガポールで育成する理由

  • 大豆生田 崇志

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2007年10月22日(月)

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 アジアでの金融ビジネスの中心地を目指すシンガポール。都心部の喧噪を離れて車で10分ほどの閑静な住宅街に着くと、東京ドームとほぼ同じ広さという荘重な邸宅が姿を現す。シンガポール国内でも2番目の面積を誇る敷地には、熱帯海洋性気候の強い日差しに照らされた緑の芝の庭園が広がり、パパイヤの実まで生い茂る。ひときわ目を引くのは、玄関前に設置されたUBSのロゴだ。

シンガポールにあるUBSの「ウェルス・マネジメン
ト・キャンパス」

 1939年に建造されたこの邸宅は、実はシンガポールにとって歴史的な建物で、いわば国家財産だ。シンガポールを東南アジアの植民地拠点として要塞化していた英軍の極東軍司令官パーシバル中将は太平洋戦争中、日本陸軍の攻撃を受けて無条件降伏する4日前まで、この邸宅から作戦指揮を執っていた。

 戦争終結後も、英自治領下で歴代の英極東軍司令官が住み、99年までは初の直接選挙で就任したオン・テンチョン前大統領(第5代大統領)の居宅として使われた。シンガポールの大統領は国家元首として国の象徴的存在。建物内には当時使われていた風格ある調度類が今も残り、つい最近までシンガポールの歴史を刻んでいた様子がうかがえる。

シンガポール政府と思惑が一致

 この邸宅を、「富裕層向けビジネスの顧客担当者を養成する教育施設『ウェルス・マネジメント・キャンパス』として活用する」とUBSが発表したのは昨年9月。ウェルスマネジメントとは、富裕層を対象にした資産運用のアドバイスを担うビジネスで、プライベートバンクとも呼ばれる。

 UBSのアジア太平洋地域におけるウェルスマネジメント担当マネージングディレクターであるパトシリア・エンスロウ氏は「シンガポール政府はウェルスマネジメントの産業育成に非常に積極的。将来の人材育成に力を入れるために、政府から借り受けることができた」と話す。つまり国の産業政策のために、国家財産が使われることになった。

 プライベートバンクといえば、中世の時代から今も名門家系の財産を預かり続けているとされるスイスの銀行を思い浮かべるかもしれない。実はシンガポールにもスイスと並んで銀行秘密法と呼ばれる厳格な法律があり、例えば銀行員は退職後も顧客財産の匿名性を守り通す義務が課されているという。アジアにおけるスイスとも言える存在がシンガポールなのだ。資産運用アドバイスのビジネスが、シンガポールの産業政策として重要視される理由がうかがい知れよう。

 UBSにとっても、アジア地域でのウェルスマネジメント事業は重要な位置づけにある。売上高や利益で見ると全事業の半分以上を占める。しかも、急成長をしており、2006年に事業資産は前年の2倍に膨らんだという。

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