• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

クリスマス商戦、苦戦予想も景気に響かず

  • 吉本 元

バックナンバー

2007年11月9日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 ウォール街の羽振りの良さを目当てに、ニューヨーク証券取引所正面にフランスの高級ファッションブランド、エルメスが開店したのは今年6月のこと。続いて10月には、米国の宝飾品ブランド、ティファニーも乗り込んできた。

 ところが、ここに来て米国のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題による損失が明るみになり、金融業界は暗転してしまった。トップから社員まで、リストラの話が渦巻くウォール街…。クリスマス商戦を前に、「高級ブティックはあだ花になる」と囁かれ始めた。

サブプライムの影

 クリスマス商戦(宗教色を薄めた「ホリデー商戦」とも呼ばれる)は、小売店の年間売り上げの4分の1から3分の1を占めると言われている。商戦の期間は、11月第4木曜日の「感謝祭」の翌日、いわゆる「ブラック・フライデー」(今年は11月23日)から、クリスマスイブの12月24日までの1カ月間と言われてきたが、最近では、開始時期が前倒しされる傾向が強い。また、終わりの時期も後ずれしている。近年では、クリスマス明けに販売が伸びるケースが目立っており、商戦の期間は2カ月以上に延びている。

 ここ数年、小売業界はあの手この手で、売り上げを伸ばすために努力しているが、今年は総じて苦戦が予想されている。サブプライムローン問題の影響が懸念されているためだ。

2007年クリスマス商戦アンケート

 第1に、借り手がローンの返済負担に苦しんでいたり、住宅を差し押さえられたり、割賦販売やカードの利用を制限されたりすることで消費が低迷するという見方である。第2に、住宅関連産業に加え、冒頭のように、不動産業や金融機関などでリストラが行われていることが、消費に影響するという見方である。

 もちろん、こうした見方は過剰反応とも言える。全米1億1000万のすべての世帯が、住宅ローンの借り手ではない。さらに、借り手のうちでも、返済に苦慮したり、差し押さえにあっている世帯は、ごく一部と言える。差し押さえの件数は2007年第2四半期末で62万件、世帯数の1%に満たない。

 また、こうした世帯は所得水準が低く、購買力が限られるため、マクロ全体の影響は限定的と言える。解雇やレイオフに遭った不動産業や金融機関の雇用者もごく一部であり、そうした職種に属していたホワイトカラー層の再就職は容易だと考えられる。10月の雇用統計でも、非農業部門雇用者数が前月差で16万人も増加しており、影響はわずかと考えられる。

 とはいえ、発表されている業界の売り上げ見通しは慎重で、NRF(全米小売協会)は、過去10年間の平均である前年比4.8%に対して、今年は4.0%という予想を出している。これを反映して、業績低迷の目立つ、ウォルマート・ストアーズは、例年より3週間前倒し、11月2日より値引き販売を開始した。トイザらスも同じ日から値引きを始めている。

 家電量販店もこれにならっており、需要の先取りを目指している。そのため、12月の販売が低迷する可能性も考えられ、やはり「苦戦する」という認識は覆らず、市場や家計・企業の景況感を悪化させることにもなりかねない。

企業は慎重に

 クリスマス商戦での売り上げ低迷が、景気に与える影響として懸念されるのは、売り上げの低迷以上に、売れ残りの急増である。事前の予想が過剰に楽観的で、商戦を前に、仕入れや生産を増やし、前向きに在庫を積み上げていながら、販売不振によって、事後的に予期せぬ大量の在庫を抱えてしまうリスクである。

コメント0

「Money Globe- from NY(吉本 元)」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

「絶対これしかありません」というプランが出てきたら、通しません。

鈴木 純 帝人社長