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サブプライム、信用収縮は来春まで続く

  • 服部 哲郎

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2007年12月12日(水)

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 米国のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)に関連し、2007年7~9月期に主だった欧米の金融機関の評価損が相次いで発表された(図)。しかし、追加損失が発生するのではないかとの市場の不安感は払拭されておらず、短期金融市場の金利は再び上昇している(図)。信用収縮が収束する兆しは、いまだに見えていない。その背景には、主に3つの要因が挙げられるだろう。

雪雲が湧いている。雪のにおいがする
■英米ユーロ圏における3カ月物銀行間金利と政策金利の乖離

 第1に、米国住宅価格の下落や、格付け機関による、サブプライムローン関連の証券の格下げから、原資産の棄損がさらに拡大するリスクがある。

 第2の要因として挙げられるのは、金融機関の決算発表数字に対する根強い不透明感である。具体的には、住宅ローン証券(RMBS)、貸出債権などを担保とする債務担保証券(CDO)、資産担保証券(ABS)を原資産とするABS CDOなどのサブプライムローン関連投資の資産評価で、市場価格を優先する公正価値による評価の適用を見送り、独自のモデルに基づく評価を用いるケースが多いからだ。

 また、短期資金を調達し、長期のCDOなどに投資して、利ざやを稼ぐことを目的とするSIV(ストラクチャード・インベストメント・ビークル)と呼ばれる簿外の特別目的会社の存在も、後述するように不透明感に拍車を掛けている。

 最後の要因としては、「モノライン」と呼ばれる金融保証会社への信頼感が揺らいでいる点がある。金融保証会社は、債務者による債務不履行が発生した場合に元利の支払いを保証する保険契約提供を業務とし、その保証対象は地方債やABSである。金融保証会社は最高の信用力(トリプルA格)を維持することで、その信用力に基づく保証の提供(信用補完)を通じて、発行体の調達コスト低下、投資家への投資の安全性付与に寄与し、地方債やABS市場の拡大に貢献してきた。

 ところが、サブプライムローン問題の発生後、ABSの格下げが相次いだため、金融保証会社の安定性に疑問符が付き、格付け会社が金融保証会社の格付け見直しに動いている。格付けの見直しは、保証対象のABSなどの格付け、さらにABSの評価額に悪影響を及ぼす可能性が強い。

問題の拡大防止策検討へ

 このような状況下で、サブプライムローン問題の拡大を防止し、信用収縮を解消するための対策が検討、実施されている。FRB(米連邦準備理事会)は利下げを継続する見通しであり、米国政府はサブプライムローンの借り手救済策を発表した。

 また、米国の大手銀行3行は、M-LEC(Master Liquidity Enhancement Conduit)と呼ばれる救済基金の設立準備を進めている。SIVは、コマーシャルペーパー(CP)発行などによって短期の資金を調達している。

 だがサブプライムローン問題の拡大からSIVの資産が棄損しているとの見方が広がり、SIVが発行するCPの買い手が不在となり、資金の借り換え難に直面している。M-LECは、資金調達に窮したSIVによる資産の投げ売りや、それに伴うCDOなどの値崩れを防ぐことを目的としている。他の銀行も参加を検討しているもようだ。

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