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日本のアジア向け経済に有効な「国際標準化」戦略

金融業界に浸透しつつある標準化

  • 宿輪 純一

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2007年12月25日(火)

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 国際標準化機構(ISO)を知らないという人はあまりいないだろう。カメラ好きの方ならカメラのフィルム感度の値であるISO100や400といった規格はなじみが深いだろうし、「品質マネジメントシステム」のISO9001や「環境マネジメントシステム」のISO14001を取得した企業も多い。

 よく見かけるISO。その本部は欧州スイスのジュネーブにある。どの国にも属さない非政府組織として1947 年に設立され、現時点で約160カ国の代表機関が加入している。最初は工業品の標準規格としてスタートした。

 ISOの標準化プロジェクトは、世界各国の代表者からなる専門部会で議論が進められる。中には、一見しただけでは分からないものもある。例えば「人道的わな」という動物を捕まえるわなの規格があったりする。筆者と関係の深い映画にもISO規格があり、映画の音量や予告編の長さなどを決めている。この規格策定には米国が主導的な役割を果たした。

 今やISO規格は、製品やサービスだけでなく、品質マネジメントシステムや環境マネジメントシステムのような業務プロセスの標準化にも及び、あらゆる分野に広がっている。そのため、新たにISOの標準規格を策定しようとしたり、ISO規格をもとに企業の製品やサービスが規格に準拠しているか認証すること自体が、もはや「新しい産業政策」と言われる。特に欧州は、EU(欧州連合)の方針として主導的に標準化戦略を進めている。

 そこで今回のゼミでは、日本のアジアに対する経済戦略の要は、欧州に負けない標準化戦略が欠かせないということをお話ししたい。

「標準」という概念の重要性

 日本には、鉱工業品の標準規格としてJIS(日本工業規格)がある。ところがJISは、粗悪品を排除する目的から設定されてきた日本国内の規格で、海外では通用しない。この事実からも、日本では品質さえ良ければどんな製品も世界で売れると考えていないだろうか。ISOのような国際標準化に戦略的に対応する姿勢が欠けている。

 確かに、優れた日本製品に対する世界的な評価は高い。例えばトヨタ自動車の「プリウス」は世界中で爆発的に売れている。しかし一方で、日本独自の携帯電話サービスである「iモード」などは、海外では思うように普及せず苦戦している。プリウスとiモードの違いは、それが「ネットワーク型の商品」かどうかだ。

 電話などのネットワーク型サービスで、ネットワークの加入者が増えるほど、利用者の便益が増加するという現象は、経済学的には「ネットワークの外部性」があると呼ばれる。新規加入者にとって、その便益は既存加入者の数に依存する。そのため加入者数がある「閾値(境目の値)」を超えると一気に普及するといった現象が起きる。つまりネットワーク型の商品は、とにかく利用者を増やすことが必要になる。

 ネットワーク商品には「事実上の標準化」「デファクトスタンダード」と呼ばれる商品が多い。次世代光ディスクでブルーレイ方式とHD DVD方式の両陣営が激しいシェア争いを繰り広げているように、事実上の標準という地位を獲得するために企業は市場を占有することに結構な経営体力を割かなければならない。その争いは、経済全体として見ると企業が無駄な経営体力を費やしている感は否めない。そのため、特に国際企業がコスト削減の一環として国際標準化を歓迎し、強力に推し進めている。

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